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 September Third week

 9月もはや3週目のWeekly Reportです。

 先週は仕事で某SIerに赴いたときのことです。その日は一日仕事だったため、お昼の食事をどこかで取る必要がありました。そのSIerは駅から少し離れているため付近に飲食店がなく、駅に戻ると往復30分程かかってしまうためどうしようかと思案していたところ、ビル内に社員食堂があることを聞きました。ただしICカードを使った決済のため、新たにカードを購入する必要があるとのこと。仕方がないので同行していたコーディネータと一緒に食堂に向かいました。

 食堂でICカードの発券機を見つけて購入しようとすると、チャージは1000円単位とのこと。ところが発券機には「ICカードのデポジット代に500円必要」との記載が。食堂のメニューは500円以上のものが多いので、1000円購入しただけでは決済ができないことが解りました。仕方がないので二人で一緒に使うことにしてカードを1枚購入し、2000円を支払いました。これでデポジット代を除いて二人で1500円まで購入できますから、食事を選びに行きました。

 食事を持って無人レジに向かい決済しようとカードリーダにカードをかざすと、エラーの表示が。なんどやっても同様にエラーとなるため、係の人がやってきました。係の人がカードリーダにかざしてもエラーとなるため、近くの机で食事をしているようにという指示の後、カードを調べてくるとのことで奥にいってしまいました。しばらくしても係の人は戻ってきましたが、奥で調べてみるとカードのICに異常があり返金するとのこと。仕方がないので受けとろうとすると、1500円しか返してくれません。「先程2000円チャージしたばっかりなのだけど」と伝えると、ICの異常は所有者の責任でデポジット代は返金できないとのことでした。これにはさすがに驚きましたが、「私はビジターでこのカードも先程そこで購入したものであり、一度も使っていないのにエラーで返金できないのはおかしいのでは?」と尋ねると、もう一度相談してくるとのことで奥に入ってしまいました。

 しばらくして戻ってくると、結局2000円でカードを購入し決済後にこちらに渡すとのことでしたので、食事代の残金の残ったカードがやっと返却されました。残金の返金はどうしたらよいかを尋ねると、別フロアの売店で返金手続きをしてくれとのこと。私は午後の講座があるため、同行していたコーディネータに返金の手続きを依頼し仕事に戻りました。

 その後コーディネータは別フロアに行き、返金処理をしようとすると、先程の発券機で精算して欲しいとのこと。コーディネータは仕方なくフロアを戻り、先程の発券機で返金処理を行いました。ところが返金されるのは10円単位までであり、円単位の残金はレシートに記載され、それを別フロアの売店で精算する仕組みになっていたそうです。フロアを行き来したコーディネータもさすがにぶち切れて5円を諦め、そのビルを退出したようです。

 これが一般企業の食堂で起きたのであれば、まだ我慢はできます。しかしこれが日本有数のSIerの食堂で起きたことですから、さすがにどうかと考えてしまいました。今時鉄道カードやEdy等の電子マネーを使えない仕組みもどうかと思いますし、残金の精算にこんなに手間がかかることもあり得ないと思います。それを改善せず堂々と運用しているのですから、さすがに呆れてしまいます。

 このビルには多くの部署が入っていますから、私のように外部の人間も食堂を使うことが考えられます。それがこのSIerの顧客で、今回のような面倒な事態が起きた場合にSIerの信用が失われることに気づかない、というのが一番の問題のように思います。私だけが遭遇したのであればよいのですが、履歴を見るとICカードは2015年に発行されたもののようで明らかに使い回していました。となると、別のカードで同様の問題が起きたこともあるはずですし、残金の返金の方法はだれもが面倒と感じるはずです。となると、外部の人間も利用するにもかかわらず社内システムだからということで放置するのは、企業として大きな問題のように思いました。

 このように旧弊な仕組みを放置してしまうのが、人間の常識の怖いところです。そのような仕組みだから仕方ない、問題があってもとりあえずは大丈夫、と思ってしまうのが危険なのです。顧客の気づかない問題や不便に気付き、顧客により良いアイディアを提供するのが、これからの我々のつとめです。これができないSIerやITエンジニアは、イノベーションの中で早晩表舞台からの退場が命ぜられることを、我々は気づかなければなりません。