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Weekly report

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 December First week

 いよいよ12月に入りました。本当に一年が、あっという間に過ぎてしまいます。

 さて師走になると、今年の反省をしたくなります。歳を重ねる毎にいろいろと解らないことが増えますが、人生100歳時代を前提にすると考えるべきことがずいぶん増えたような気がします。

 世界を考えると、今年は本当にナショナリズムの台頭を感じざるを得ませんでした。米国はもちろんのこと、中国、ロシア、英国など世界の大国が国際協調よりも自国に有利な状況をいかにつくりだすかに奔走しはじめた一年のように感じました。その原因がすべて国の代表の方針であり、小国であれば独裁といわれる 行為を平気で行っています。事実米国を初めとした各国が反目しようとする側近をすべて排斥したり、自分の任期を無限に近く伸ばしたりと、独裁者さながらの行為を平気で行っています。国内の反対勢力を力をもって弾圧したり、自分に有利な法律を作ったりとやりたい放題の状況です。

 対外的には国際ルールから脱退したり、世界が反対できない状況をもとに自国だけで勝手な行動をとったりとやりたい放題です。それが米中、米露、欧英、土沙、の各国で起きており、非常に複雑です。日本も国際条約を無視した韓国によって徴用工問題が再燃していますし、返す気のない北方領土の返還をちらつかせて和平条約を結ぼうとするロシアに翻弄されています。もちろん中国との尖閣諸島もありますし、北朝鮮の拉致問題もまったく解決していません。日本の外交下手は昔からですが、それにつけ込まれてしまってさらなる問題を引き起こしてしまったのが今年の状況のように思います。

 反面この状況が起きてしまっているのは、インターネットにより国の形が変わってしまったことを意味するように思えるのも事実です。AmazonやGoogleのように、世界中を席巻するサービスが次々と生まれ、世界の経済市場を飲み込んでいきます。そこには国という概念よりも、プラットフォームという概念のほうが重要になります。世界に通用するプラットフォームを作り、世界中でサービスを提供すれば、財はその企業に流れ込みます。仮にその企業が本拠地のある国で不利な税を徴収されそうになると、その企業は本拠地を他の国にうつしてしまうので国にとってメリットはありません。さらにそこで使われる通貨が仮想通貨だとすると、国そのものの価値を問われる事態になります。

 このようにかつては経済力が国の力の指標でしたし、通貨の価値の源泉でもありました。しかしこうして経済がインターネット化していくと、国そのもののあり方を変えてしまう事態が生まれます。となると、国は経済力ではない支配力を高めようとしますし、その源泉が領土となります。生み出せないなら奪う、というのが歴史であり、経済を支配できないならば領土を拡大してそこにある物を奪う、というのが今の世界の情勢のように思えてしまいます。逆に他国がそういった政策を採るならば、より高い自衛力を高める必要がある、というのも当然であり、日本の主力戦闘機入れ替えやいずも型護衛艦を空母化しようとする動きもこれにならったもののように思えます。となると、この状況は当面変わらないでしょうし、国と国との緊張関係はこれまで以上に続くでしょう。支配力を高めたい大国通しの争いはもちろんのこと、混乱した小国の代理戦争も激化しますから、戦争を主因とした経済活動が活発になるのかもしれません。

 さらに拙いことに、一つの国が民族や宗教といった形で分断されたり、貧富や暴力によって分断される国も増えています。弱者は逃げるか弱者としての戦いを取るかになりますし、それがテロリズムという形で発揮されてしまう可能性も高まります。話し合いで解決できればこれほど素晴らしい事はありませんが、主張の単位が小さければ小さいほど、話し合いの余地がなくなってしまうのが現在の状況です。

 このように世界を考えてみると、不安定な状況は当面続きますし、世界の先行きは誰にも解らない気がします。オリンピックのような平和な戦いで各国の主張が通ればいいのですが、もっともっと現実的な争いが来年以降も起きる気がします。今年を振り返ってみると、こういった問題が顕在化し激化した一年であったように思いますし、来年以降はさらなる激化が予想されます。この事態がどのように収束していくのか、逆に積極的な収束を向かえるために何をすべきかを、来年は考えざるを得ない気がします。

 さて来週は、国内についての反省ですね。