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Weekly report

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 January First week

 明けまして、おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 今年はさらに、様々な変化の予兆があります。4月末で現天皇が退位し、5月に元号が変更されます。10月にはいよいよ消費税の改訂も実施されますので、日常生活やビジネスに大きな影響が発生する事は間違いありません。また経産省が提唱するように、2025年の崖に向けて企業のシステム更改需要も高まりそうですし、ITをとりまくビジネスにはさらなる活性化が予想されます。

 新しいテクノロジーやデバイスを使った製品やサービスも、幾何級数的に増えるでしょう。Amazon Goのような無人店舗のノンストップサービスも始まるでしょうし、既存のビジネスに大きな変化を与える新しいサービスが生まれてきそうな気配です。日常生活の利便性は高まりますが、今までの常識を変える必要も高まります。

 銀行の支店撤収やATM削減は加速するでしょうから、お金の引き下ろしはコンビニが中心になっていく可能性は高いと思います。その反面電子マネーは、これまで以上に加速すると思われます。かつて私もEdyを利用していましたが、利用範囲の狭さからいつのまにか利用しなくなっていました。それに変わったのはSuicaの電子マネーであり、鉄道のチケット購入と同様に使えることから利用頻度は増えています。家内もMaxバリュ等の店舗ではWAONを利用していますし、スーパーやコンビニも主夫に向けた独自カードを積極的に展開しています。 昨年末に話題になったPaypayやLINE Payも若者を中心に積極的な展開が図られていますので、この傾向は今年一層強まる予感です。

 反面Paypayで発生したような不正利用も、今後大きな問題になるでしょう。登録時に本人を確認する方法がまだまだ脆弱であり、他人のカード番号や銀行口座を利用したこうした不正利用は今後も続発すると思います。逆にカード会社や銀行はそれらを防ぐための本人認証方法を積極的に展開していくでしょうから、いたちごっこがしばらくは続くと思われます。

 こうして考えてみると、スマートフォンの高度化高機能化が止められないということを意味するのかもしれません。つまり身近な一つのITデバイスがすべての利便性を実現してしまう時代が、いよいよ到来してきたということです。こう考えてみると、今年は無理であってもこの数年でスマートフォンのあり方も変わるように思います。電池の残量やデバイスの紛失を心配しなくていい、あるいはその心配を軽減する仕組みが生まれてきますし、複数の方法が拮抗しよりよい物が生き残るのでしょう。とはいえ最終的に私は、インプラント型のデバイスが増えていくと思いますし、その過程としてのタトゥコンピューティングが、今年どこまで姿を見せてくれるかに期待したいと思っています。

 こうして新しいデバイスやサービスが普及する反面、予想されていたように音もなく仕事が減っていくのも今年の特徴かもしれません。スーパーの無人レジの増加は目に見えて増えていますし、レジ周りの支払い業務だけを自動化する機器も増えています。人間が行えばミスや不正が防げませんが、機械が行うのであればそれらの可能性を極限まで下げることが可能です。パターン化された事務作業はRPAなどに置き換わるでしょうし、掃除などもロボットが数多く使われ始めると思います。ガソリン高騰の際に増えたセルフスタンドは従来のガソリンスタンドを駆逐していますし、車のハイブリッド、電気自動車化が これを加速させます。結果としてスタンドの経営者や従業員、アルバイトの仕事は失われていくのでしょう。商店街も今やマンションが建つ時代ですので、店舗の廃業は相次いでいます。ここでも店主や従業員、アルバイトの仕事はなくなっていきますし、そこに商品を卸していた問屋等の仕事もなくなります。新聞の購読者が激減していることから新聞配達所や広告を出稿する高校会社、印刷会社の仕事もどんどん無くなっていきます。

 このように高度なIT化と社会構造の変化は、仕事の存続にも及んでいます。今年はどんな仕事が生まれるのかという期待は常にありますが、それ以上に音もなく多くの仕事は無くなっていきそうです。

 2016年の1月に予想したとおり、産業革命は音もなく進行しています。その後のダボス会議でクラウス・シュワブもまったく同じことを宣言してから、もう3年もの年月が経っています。歴史に残る時代を生きている私たちには実感が伴いませんが、過激な変化が我々を包み、音もなく社会構造を変えています。だからこそ我々はこの変化を実感し、自らの明日を考え、さまざまな選択を行っていく必要があるように私には思えます。

 今年が皆様にとってよりよい年であることを心からお祈りしますし、新たな選択がよりよい未来をもたらすことを信じたいと思います。ことしも、よろしくお願いいたします。