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Weekly report

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 April First week

 いよいよ4月です。今年は改元ですから、今年の新人さんは二つの時代をまたがって活躍することになります。

 先月後半は伊豆熱川の海潜亭にこもって、新人研修などのレジュメ作成に没頭しておりました。神奈川の自宅は下の子と同居をしているため、留守中は基本的に一人暮らしとなります。その下の子から先週の日曜日の朝に連絡があり、風邪をひいたとのこと。夕刻に連絡すると熱が上がってしまい、買物に行くのも辛い様子でした。下の子も働いているため、我々が熱川にいる間は外食が多くなるようで、冷蔵庫にはたいした物が残っていないとのことでした。

 どうすべきかをしばらく思案しましたが、ちょっとひらめいて人生初の「ネットスーパー」を利用することをひらめきました。近くのライフはネット注文を受けていないようでしたので、一駅隣にあるイトーヨーカ堂を利用することにしました。ユーザー登録はオムニ7のものを流用できるので、早速弱った体に効果がありそうな物を選ぶことにしました。

 実際注文を行おうとすると、これが本当に使いにくくて驚いてしまいました。通常のネットショップと同じく左側に商品の大分類を示したニューがあり、展開して小分類を選ぶと、画面に商品の一覧が展開されます。あとは通常のネットショップ同様希望商品をクリックし、数量を入れればショッピングカートに入れられます。決済はネットショップと同じで、配達時間が翌日の中から選べる、というのがネットスーパーの仕組みです。いってみれば通常のネットショッピングとなにも変わらず、クリックした商品を決済後受けとるだけの仕組みです。

 一般にネットショップを利用するときは、目的が明確な一点買いが多いと思います。書籍を購入したり、お気に入りの文房具を注文する、など、購入すべき商品が明確になっています。お取り寄せの食品も同様であり、メインの注文品があって、送料が無料になるまで関連の商品を購入する、というのが一般的な購入方法でしょう。

 しかし実際のスーパーマーケットで食品や日用品を買う場合は、目的が明確になっているケースは少ないと思います。店内を歩きながら特売の商品に気付き、それを基にしたメニューを考えます。調理に必要で不足している調味料を購入したり、副菜を考えたりと売り場を行き来しながら買物を続けます。手持ちのカゴやカートが一杯になったらレジに向かい決済をする。これが一般的な実際のスーパーでの購入でしょう。

 これをネットスーパーで行おうとすると、インターフェースがまったく違うため非常に難しくなります。スーパーであれば特定の売り場にまとめておいてある商品も、メニューの小分類ですと関係の無い商品がランダムに並びます。たとえばゼリーを買おうとすると、上段にはタラミのゼリー、その下にはマンナンライフのゼリー、さらにその下にはプライベートブランドのゼリーが並んでいます。しかしネットスーパーではゼリーを絞っても、様々なメーカーの様々な風味のゼリーがランダムに出現します。商品を比較しようにも別のページにまたがりますし、非常に比較しにくくなります。また包装単位を写真だけで直感的には判断が付かず、いちいち商品の説明を読む必要があります。仮に商品が買えても、他になにが必要かを思い浮かべることは難しいですし、店内を歩くように商品を眺めることができません。

 このように現在のネットスーパーは、単にネットショップの商品をスーパーの商品に置き換え、当日や翌日に運んでもらうだけで非常に使いにくい物になっています。結果として必要商品しか買われませんし、その値段を考えると送料が無駄に思え、結局発注をやめてしまうユーザーも多いように感じます。現在ネットスーパーはどこも不振といわれていますが、その理由はこんなところにあるように思いました。

 仮に私がネットスーパーのインターフェースを考えるとなると、次のようにすると思います。

  @トップを店の入り口にし、ユーザIDを入力しタップすると店内に入る
  Aグーグルのストリートビューのように指でスクロールすることで、さまざまな売り場を巡ることができる
  B気になる売り場に着いたら画面を拡大すると、そこに並ぶ商品が見える
  C商品の棚を拡大すればするほど並んでいる商品が具体的に見えるようにする
  D商品をタップすると、商品の詳細と価格が表示される
  E発注する場合はボタンを押せば、カートに溜まる
  F移動中はカートが常に表示され、実際の大きさで商品が入っている。したがって購入量も想像できる
  Gカートについているボタンを押せば、いつでも決済ができ、対話型で支払方法や到着時間を決定できる
  H実際の店舗同様特価品や特売品をならべ、ついで買いを誘発する
  I商品の詳細表示にリンクボタンがあり、レシピサイトや動画などと連携している
  Jレシピサイトや動画を見た場合は、その調理に必要な商品情報を表示する

 これらは基本的にスマホやタブレットで動作するようにします。タブレットを持っていないお年寄りは、Amazonなどとタイアップをして、価格の半額分の送料を無料にするようにします。これによって高齢者でも、スーパーが実質半額負担する形でタブレットを購入することが可能になります。

 こうすれば実際の店舗同様の行動で買物ができますし、目的買い以外の商品も選ばれる可能性が上がるのでスーパーの売り上げにも貢献できます。もちろん商品購入の履歴を取ることで、砂糖や塩などの常備品について購入時期から消費量を推測し、再度購入した方がよくないかを提示する機能や、購入動向からお勧めレシピを提示するなど、ネットスーパーならではのサービスも提供することができるでしょう。

 これを実現することは、技術的にはまったく難しくありませんし、それほど費用がかかるものでもありません。だからこそそれを実店舗を絡めた方法で実現することを考える企業がでてくることを、私は心から願っています。