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Weekly report

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 May Second week =Reiwa=

 令和の時代に入りましたが、平成と違い世の中の変化が少ないため実感がわかないところです。平成は天皇崩御によって始まり、大喪の礼まで経済活動や照明などが控えられました。世の中全体が暗く重たい雰囲気の仲での始まりだったので、昭和の終わりと平成の始まりを実感できたような気がします。

 さて先週は痛ましい交通事故が続きました。最悪だったのは先週8日に発生した、大津の交通事故です。右折しようとした車が直進車と衝突し、直進車は速度を落とすことなく歩道に突っ込み、横断歩道を渡ろうと待機していた幼稚園児の列に突っ込みました。その結果二人の園児がお亡くなりになり、その他10名以上が重軽傷を負いました。無くなったのは可愛い盛りの2歳の園児ですから、親御さんの無念さは計り知れない物があります。原因は右折車が前方をきちんと見ていなかったことのようですが、直進車もハンドルを切ってよけようとしたもののブレーキを踏んだ形跡がないようです。それほど速度が出ていなかったからこそブレーキが踏まれていれば被害は軽減できた可能性がありますし、ハンドルを左に切らず車同士が衝突していれば被害はもう少し軽かったのかもしれません。

 しかし今回の車両を見る限り、かなり新しい車種のように思いました。調べてみると全車標準で衝突回避支援ブレーキが装着されているようであり、なぜそれが効果を発揮しなかったのか疑問がわきます。対人・対物で衝突が発生しそうな場合自動でブレーキがきくはずですので、今回のように車が完全に停止するまでブレーキが効かなかったというのは問題があります。今後の検証が待たれるところではありますが、いずれにしても機械は万能ではないということなのでしょう。

 日本の中央年齢は約46歳であり、世界平均の30歳に比べ大幅に上回っています。いろいろな統計がありますが、それでも日本の中央年齢は世界ベスト3に入っていますから、高齢者が増えていることがわかります。アフリカは10代の国が多く、先進国になるほど中央年齢が高くなります。それでも日本はドイツと並ぶ年齢の高さであり、如何に高齢者が多く子供が少ないかが解ります。

 これまでの社会は老人を前提とした作りではなく、健常な若者や中年を前提とした作りになっていたように思います。階段や段差はまさにこれであり、最近になるまでエレベーターやエスカレータがないところは普通だったように思います。道路には横断歩道よりも歩道橋が架けられ、電車の踏切は地下道に変わったりと車や健常者を前提とした街作りが普通でした。道路の幅は狭くても、子供や老人以外はすれ違う車をよけることができますし、ホームを高速で走り抜ける電車をよけることは容易でした。

 若者は中年に、中年は老人に、人間は確実に年に一歳ずつ歳を取っていきます。若い頃にできたことが徐々にできなくなり、体の自由もきかなくなります。階段を上るのが辛くなり、エレベータやエスカレータを利用したくなります。車を運転していても若いときのように反応が早くないため、危ないシチュエーションが徐々に増えます。世の中の多くの情報を頭に取り入れても、その処理速度の遅さから反応が鈍くなったり処理しきれなくなったりします。視野は狭くなり、音は聞こえにくくなります。

 となると、増えゆく老人にあった社会をもう一度創り出す必要がどうしても必要になります。以前から申し上げているとおり、老人が運転できる車は衝突回避ブレーキなどの安全装置が搭載された車のみにすべきと思います。その上で車をさらにインテリジェント化し、衝突や事故の可能性を下げるようにすべきです。道路と車がやりとりできるようになれば、歩行者信号が青になれば接近する車の速度を自動的に落とすことは可能なはずです。一方通行や進入禁止エリアに入った場合は警告音を鳴らし、それでも速度を落とさなければ自動的に停止するような仕組みを導入すべきと思います。

 さらに住宅街の狭い道には、外国のようなバンプの導入を考えるべきと思います。バンプとは道に作られたこぶであり、これを乗り越えるために車は減速する必要があります。減速しない場合車が大きく上下したり、最悪サスペンション等に支障が発生する可能性もありますから、速度の減速がなされます。最近欧州ではアクトバンプといわれるIT仕立てのもののあるようで、高速で接近する車を検知すると自動的に道にギャップを作り、減速させるようです。原則しなければバンプ同様ギャップに落ち込んで車が上下することなります。

 歩行者に対しては、もっとガードレールやコーナーポール等を導入すべきですし、車が暴走しても事前に止められる仕組みを整備すべきと思います。歩道の安全性を高め、できるだけ車と分離した歩道を作るべきと思います。

 このように現代の日本は、中央年齢が20代の頃に決められた規格や標準で作られています。中央年齢が倍以上上がった現在、都市工学や建築工学をもう一度見直し、老人が普通に生活できる街を作っていく必要があるように思います。それは同時に子供達を守ることにもなりますし、障害をもった方々にも優しい街になります。こういった取り組みを行うことは需要と産業の創造になりますし、停滞した日本経済を活性化させるきっかけになると私は信じています。