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Weekly report

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 August Third week

 今週は盆休みですが、私は順調に仕事をこなしていました。

 さて今週は台風の影響で、日本列島は混乱しました。超大型でのろのろの台風10号が、15日に西日本に上陸しました。上陸前は超大型の勢力を誇っていましたが、上陸時には勢力を落としており、西日本に大雨をともなった暴風をもたらして16日には日本海に移動し、温帯低気圧に変わりました。関東はときどき強い風雨となりましたが、大きな被害もなく日曜日を迎えました。しかし台風後に南の高気圧が入り込み、35℃をこえる酷暑となってしまいました。

 今回の台風の被害は、昨年までの台風の被害に比べて軽かったのが唯一の救いです。心配されたような大規模な洪水や土砂崩れはありませんでしたし、交通インフラに対する被害も軽微だったように思います。もちろんJR西日本は15日の終日、山陽新幹線を終日運休にしました。航空会社も西日本のほぼすべての発着を休止しましたので、交通機関の被害はなくてもお盆の移動の足に大きな影響がでたことは間違いありません。いずれにせよ今回の台風は、その規模から考えても軽微な被害で終わったといえます。しかしその裏に教訓とすべき事がいくつかあったように思います。

 まずはこの規模の台風は、今後も到来する可能性があること。地球温暖化の影響は今後も続くでしょうし、年々その規模を拡大する可能性は大きいと思います。となると、来年の今頃同規模の台風が到来する可能性は充分にあります。仮にそのルートが東京を直撃するようなことがあると、来年は何が起きるでしょうか?その通り、オリンピックが開催されていますので、首都圏を中心に大混乱が起きる可能性があります。

 今回同様新幹線の計画運休を行うとすると、東海道、東北、上越、北陸という四つの新幹線を止める必要があります。つまり首都圏へ、あるいは首都圏からの移動が大幅に制限されます。羽田と成田の発着が制限されると、世界からの選手団や応援するための観光客、メディア等のオリンピック関係者が日本にこれないことになります。仮に台風の被害が少ない九州の空港に降りても、そこからの移動ができません。

 東京都内へ繋がる高速道路も影響を受けますから、練習地から競技会場へのアクセスも混乱します。宿泊施設も回転が止まり、多くの宿泊地を持たない観光客が暴風雨の吹き荒れる東京都内に足止めを喰らいます。飲食店等も材料の調達が難しかったり客の確保が困難という理由で閉店するところが増えるでしょうから、食事もままならなくなる可能性もあります。

 そしてなにより、その数日間の屋外や海上で行う競技に影響が出ます。ヨットやサーフィンといった競技は延期せざるを得ないでしょうし、暴風雨が激しければ陸上などの様々な競技も延期となります。競技の日程が混乱するだけでなく、滞在する選手のコンディションにも大きな影響が出るでしょう。屋内競技は実施可能でも、選手が移動できなかったり応援客の出入りが難しいなど、混乱を免れることができません。もちろん高額なチケット代を払った応援客も、競技日程の変更により宿泊が難しくなったり東京に向かうことができなかったりします。何十万円ものチケットが無駄になるのは、やはり多くの方が納得できないのではないでしょうか。

 このような事態は、一年後に充分起きえる事だということは、だれにでも理解出来るはずです。その規模がより大きかったり、速度が遅かったりすれば、その被害が甚大で長期にわたる混乱も予想されます。オリンピックに続けてパラリンピックも行われますから、日程の混乱は非常に大規模になります。

 今回の件を偶然と考え、来年東京では起きないと信じることはできます。しかしその確率と起きる確率は、起きる起きないという観点で考えれば同じになります。逆に起きたときに何かを考えるのでは遅すぎるからこそ、起きた場合に備えたあらゆるシミュレーションと、その被害を軽減する様々な対策を講じる必要が、我々にもあるような気がします。またその対策が無駄になっても、それを責めない寛容さも同時に必要になるのではないでしょうか。