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Weekly report

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 September Third week

 いよいよ9月の後半に入りました。

 先週日本に襲来した台風15号は、週が明けるにつれ大きな被害の実態が解ってきました。特に被害が大きかったのは、千葉県です。9日夕刻時点で64万戸あまりの停電があり、最終的には94万戸あまりが停電の被害に遭ったようです。先週末時点でも20万戸ほどの家屋が停電しており、山間部では今月末まで復旧が難しいようです。被災された方、ならびに停電の続く皆様には心からお見舞い申し上げますし、一日も早い生活の完全回復をお祈り申し上げます。

 成田空港も台風により交通手段がなくなり、多くの方々の入出国に影響を与えました。JR、京成ともに台風の到来とともに運休になってしまいましたし、バスやタクシーもほぼ出払って身動きが取れなくなり、空港で一夜を過ごした方も沢山いたようです。

 今回回復が遅れた原因は、やはり風邪による倒木や家屋の倒壊のようです。単純な電柱の倒壊や電線の切断であれば、復旧には時間がかからなかった可能性があります。当初東京電力も数日での回復を見込んでいたのは、このためでしょう。しかし実際には強風による被害が甚大であり、電線の上に屋根や外壁などの飛来物が引っかかったり、大規模に電柱が倒壊したり、河川が土砂で埋まり発生した洪水で水没した箇所があったりと土木工事や建設工事に等しい作業が大量に発生し、その対応に時間がかかってしまったようです。

 先週滞在していた海潜亭のある伊豆熱川も、強風で沢山の木々が根こそぎ倒れてしまいました。直径1m程の大木も数百本倒れていましたし、一本が100kg以上あるような大きな枝は、無限に折れて落下していました。倒木の多くは道路に横たわっていましたが、住居の屋根を直撃したり、電線の上に倒れかかっていたものも沢山見かけられました。

 隣の伊東市では、水源の河川がせき止められ付近一帯に大きな池ができてしまい、水源を吸い上げるポンプが水没し断水となってしまいました。台風が遠ざかってもその池の排水が進まず、先週末まで断水は続いていました。復旧に多大な時間がかかりましたが、その作業に取りかかった方々も不眠不休で復旧作業を行われていたようです。

 熱川からの帰り道も、熱海ぐらいにかけてものすごく多くの倒木を見ることになりました。伊豆高原から川奈にかけて大きな杉林があるのですが、半数近くの杉が文字通り根こそぎ倒れており、元通りの風景になるには相当な時間がかかるであろうことを実感させられました。

 先週もお話ししましたが、この時期の停電の辛さは筆舌に尽くしがたいものがあります。海潜亭も強風に備えて客間のシャッターを閉めていましたが、翌日晴天になって室内が蒸し風呂のように暑くなっても、停電のせいでシャッターを開けることができません。熱帯夜に必要なのは照明よりも扇風機であり、停電のつらさはそこにあると思います。冷蔵庫のなかが腐ってしまうと、食べられるもののすくなくなりますし、IH対応のコンロであれば料理も不能になります。広域災害の場合通信会社の基地局もダウンする可能性もありますから、通信すらできなくなる可能性も非常に高くなります。実際家内のdocomoは、非常に通信状況が悪い状態が続きました。

 毎度同じまとめになりますが、来年のオリンピックシーズンにこういった事態が起きないことを祈るのみです。逆に今回のことを良い教訓とし、あらゆる対策を講じることの意味をもう一度国を挙げて考えるべき時に来たように思います。まずは少しでも混乱をさけるために、オリンピック、パラリンピック期間中に台風等の到来が判明した場合、基本的には企業は休業すべきと思います。都内や会場付近の工事現場の足場もこの時期は基本的に撤去し、それらが道路等をふさがないような配慮をすべきでしょう。

 万が一の場合に発行できる食糧クーポンを作成し、住民基本番号や外国のパスポート等で一日一食分発行できるようにし、被災地付近の飲食店が食事を提供した場合は、クーポンによって国から一定額の支払いを受けられるようにすべきと思います。同様に自家用車で誰かを近隣まで送った場合や旅行者や帰宅難民者に宿泊場所を提供した場合にも支払いを受けられるようにすれば、帰宅難民などを少しでも減らすことができるようになるでしょう。

 車を所有する人間は、台風前にガソリンを満タンにしておくべきでしょう。家庭に最低一台はスマホ等が充電できる機能を持った懐中電灯やランタンを準備すべきですし、家族が数日耐えられるようにインスタントの食品と水を用意すべきでしょう。またできれば、ソーラーパネル等を使った発電機等を準備し、停電の際に最低限の電気を供給できるようにすべきだと思います。

 この一年を個々人が教訓を生かす準備期間とするか、単なる日々の連続としての一年とするかは個人の自由です。しかしその考え方の違いが、来年の混乱を少しでも防ぐことができる可能性があることを、我々は忘れてはなりません。