Onomura System Consulting Office       

osco top


Weekly report

next

back

 

 

 

 

osco top

 November Second week

 今年何度目かの書き出しですが、早くも11月も第二週に入りました。今年も何もできないまま、一年が終わりそうな気配です。

 さてこのところいろいろと体調不良であり、熱川でも間違いなく週一度以上は医者に通うハメになっています。医療費と飲む薬の量が半端なくなっており、一日の食事の何パーセントかは薬ような気になります。それでもさらに追加であちこちが壊れ、結局薬の量がまた増えるわけですから本当にいやになります。

 先週は40年ぶりぐらいに本格的な喘息発作が起き、ひさびさにブラックアウトしかけました。意識が戻りかけたときに何が起きたか解らず、意味不明の言動をしている自分にビックリさせられました。仕方が無いので熱川界隈で評判の良い総合病院に行きましたが、予想通り思いっきり喘息が復活してしまったようです。血中の酸素飽和度が90%ぐらいになっており、さすがに医者も驚いていました。結果として喘息の薬と気管支を拡張する吸入剤を山ほど処方され、またまた飲むべき(吸うべき?)薬が増えたため、本当にいやになりました。

 平日日中の病院内は、東京近辺同様老人が大半でした。還暦間近の私が相当若手の患者ですから、田舎の高齢化は相当に深刻に感じます。ところが驚いたのは土曜日です。家内が下の子から風邪をもらったようで、念のためその病院の診察を受けることにしました。東京近辺の病院の土曜日は、平日に病院に行けない患者でごった返しますので、こちらもそれを懸念していましたが、なんだかんだで病院に到着したのは9時半頃になってしまいました。先日の私の通院時には駐車場が満杯で歩いて5分ほど離れた立体駐車場に車を止めざるを得なかったのですが、この日は駐車場そのものがガラガラでした。

 受付に向かっても人影はまばらであり、内科の前もまっている人はほとんどいません。平日は3人の医者で診察を行っていましたが、土曜日はたった一人です。ところが受付をしてすぐに家内は診察に呼ばれ、結局受付してから10分ほどで診察を終えることができました。会計もすいており、結局30分も経たないままに診察を終えて帰路につきました。

 これが東京近辺ですと、数時間かかるのはざらのように思います。働いている方が平日に医者に行くことはよっぽどのことがない限り難しいですし、週末まで頑張って土曜日に通院する方が一般的でしょう。土曜日は午前しか診察を行っていないでしょうし、だからこそ混雑も土曜の午前に集中してしまいます。ところが熱川界隈では、土曜日はほとんど患者がいない、と考えるとそこに恐ろしい問題があることに気づきます。

 つまり平日病院を賑わしているのは老人ですが、土曜日にいないところをみるとおそらく慢性疾患で病院に通う方が多いのでしょう。私もそうですが持病があれば、定期的に通院し薬をもらう必要があります。しかし土曜日は医者の数も減るため、基本的に初診の外来患者が診察の対象になります。この界隈は田舎で人口も少ないですから、慢性疾患ではない風邪等で病院を訪れる患者は少なく、結果としてガラガラの状態になってしまいます。

 こう考えてみると、現在病院の患者の大半が慢性の病を抱える老人ということになり、彼らが亡くなった後は患者数が激減することが容易に想像できます。熱川界隈だけでも総合病院と言われるものが5〜6件ありますから、そのすべてで患者が激減し、経営が成り立たなくなる可能性があるのです。

 現在の日本の人口ピラミッドを見ると、団塊の世代である70代前半がもっとも数多くいますし、次が団塊ベビーである40代です。あと10年も経つと団塊の世代が漸減していきますし、そのその子供は都会に居住し田舎には帰りません。となると患者の激減は確定した未来であり、病院もそれに対応した体制に変革しなければなりません。この数年で二つの病院がスリム化をし入院病棟を激減させましたが、やがては病院そのものの数も減っていくことは間違いありません。これが東京から二時間の伊豆で起きていると考えると、日本中の病院が同様になっていくことは容易に想像できます。

 テクノロジーの進歩によって、在宅の診察や遠隔地での治療が自動化できる可能性はあります。しかし法律面も含めそれらが実現するまでの時間と、地方の人口が激減する時間が競争になってしまっていることは事実ですし憂慮すべき事態でもあります。保険制度も含めて、日本全体の医療のあり方を真剣に考えない限り、日本の衰退はものすごい勢いで始まる可能性を私は強く感じています。