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Weekly report

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 January Fifth week

 新型コロナウィルスに起因する新型肺炎が、中国を中心に猛威を振るっています。 昨年12月頃、中国湖北省武漢市を中心に劇症の肺炎を症状とする感染症が急速に広がり始めました。当初はSARSなどが疑われましたが、1月に入って新型コロナウィルスを病原とする感染症であることが解りました。しかしその時には武漢市から中国国内や海外に人が渡っていたため、感染が広がってしまいました。

 当初このウィルスは人から人に染ることはないとされていましたが、時間とともにウィルスが変異し、人から人への感染も始まったようです。1月末には世界中で感染者が発見され、深刻な事態となることが懸念されています。現状は感染が中国国内が中心ということで、WHOは緊急非常事態宣言の発動を見送りましたが、事態は楽観できません。

 現状は世界中で、1400名あまりの人間が感染していることが解っています。現在患者が発見されているのは中国以外にタイ、韓国、台湾、シンガポール、ベトナム、マレーシア、ネパール、米国、オーストラリア、フランスに渡っており、今後も拡大が予想されます。中国政府は感染の拡大を防ぐため武漢市からの移動制限を行い、中国国内の移動も制限しています。中国の主要な観光施設も相次いで閉園・閉鎖しており、世界中への拡散を防ごうと躍起になっています。しかしウイルスの発生が昨年ですから、こういった対策の前に既に中国各地に広がった感染者が新たな感染を引き起こしている可能性もあり、事態は深刻のようです。

 今回心配されているのは、特に重篤な症状を示さず大量にウィルスを拡散するスーパースプレッダーといわれる人の存在であり、このスーパースプレッダ国内、海外に動くと、多くの人数に感染させてしまう可能性が指摘されています。運悪く中国は旧正月の春節であり、多くの中国人が世界中を移動しています。その中にスーパー・スプレッダーが存在すると、世界中に感染が拡大する可能性があります。

 以前もあった新型インフルエンザ騒動の時も思いましたが、正しい情報の開示が一番必要と思います。現在も新型コロナウイルスの性質は明確には解っていないようですが、潜伏期間は2週間程度のようです。さらに咳や熱といった風邪のような症状がでず下痢などの症状でも感染している人間がいるなど、初期段階での誤診が発生しやすい特徴もあるようです。こういった情報が開示されるほど

 次に感染者の移動ルートをきちんと把握し、接触が疑われる人間を特定することが大切なのでしょう。5Gのスマートフォンが増えAIがもっと進化すると、いよいよ私の思い描く方法も実現できるのかもしれません。以前のパンデミックの際に考えたことですが、スマートフォンは常にアンテナ局とのやりとりやをしているため、A−GPS機能によって自らの位置を把握しています。となれば何時何分にどこの位置を通ったかをすべて記録することは可能です。パンデミックの際、感染者が持っているスマートフォンがどこを通ったかを収集し、その近辺で交差した別のスマートフォンを特定します。その中でも交差時間が長いスマートフォンは一定時間感染者付近にいたため感染リスクが高まります。単に交差しただけでは罹患の可能性が低いため、交差時間の長いスマートフォンに対し警告のメールを自動で送信し、早めに病院等で検査を受けるよう指示をします。このような仕組みを作れば、自らの感染の可能性を知ることができますし、早期の対応や隔離も可能になるはずです。

 これらが可能になるのは、綿密な信号のやりとりですからやはり5Gが必要になるでしょう。さらにそれをクラウド上で処理するAIも重要になりますし、大量の情報を一時に処理するため量子コンピュータなどの計算能力が必要になるかもしれません。しかしこういった機能を作れば、早期に感染を食い止めることが可能になりますし、感染の可能性のある人物を特定できることから広範囲への拡大を防ぐことも可能になります。

 このようにテクノロジーの進歩によって、今までは不可能だったことが可能になります。移動手段がなかったころは大陸間で伝染性疾病が広がることはありませんでしたが、航空機の発達とともにそういった新しい事態が生まれました。だからこそ今度は、テクノロジーの進歩がその新しい問題を積極的に解決してくれることを、老頭児のエンジニアとしては心から望んでいます。