新型コロナウイルスが、とうとうパンデミックになってしまいました。
中国や韓国、日本といったアジア圏からいよいよ世界に流行が広がり、イタリアでは1万5千人以上の感染者が発生し、死者も千人を上回ったようです。イタリア政府は全土に移動制限を設け、飲食店等の営業も禁止しましたが、この状況は止めようもないようです。緊縮財政下で続いてきた医療体制の縮小が裏目に出て医療崩壊も起き始めており、このまま被害が拡大する可能性も高くなっています。100名以上の死者を出しているスペインも非常事態宣言を発令し、いよいよヨーロッパが新型コロナ
ウイルスの拡大の中心になりそうです。WHOもこれからはヨーロッパが感染の中心になるといっていますので、当面拡大傾向は止まらないでしょう。
ヨーロッパは地続きですので、一国で感染者が増えれば他国に広がる可能性が高い場所です。EUのおかげでEU内の移動が簡単になったことも、今回の感染拡大との因果関係は強いでしょう。事実非常事態宣言を出した米国もイギリスを除く欧州からの入国を制限していますので、同じ懸念を持っていることになります。
(とはいえ英国も、日本並みの患者数なのですが。)南米や中東でも患者が増大していますから、いよいよ全世界で拡大していることになります。(日本経済新聞社 新型コロナウイルス感染 世界マップを参照ください)
日本でもあいかわらず日々患者が増えています。やっとウイルスのPCR検査が健康保険の適用となりましたが、現状世界に比べて検査可能数は圧倒的に少な
いため、今後検査数の増加に比例して患者は増えそうです。新型コロナウイルスは感染力は比較的強いようですので、今後日本でも爆発的に患者が増える可能性が高いと思われます。これからは感染した患者のうち重症患者のみを入院させ、その他の軽症患者は自宅療養を
求めることになるでしょうが、感染者の外出や家庭内感染によって劇的に感染者をさらに増やすことになるでしょう。爆発的に広がるか徐々に広がるかだけの違いであり、
結果的に日本人の何割かは感染する可能性は高いと思いますし、経済や社会の混乱は当面治まりそうもありません。
経済の疲弊も凄まじい勢いで進んでおり、経済そのものは急減速しています。飲食店やサービス業、観光業、輸送業は直接的な影響を受けており、今後多くの倒産や閉店・廃業が起きることは避けることができない模様です。海潜亭のある熱川の温泉街もガラガラであり、ホテルの影響は悲惨な状況です。
これが全国規模で起きていると考えると、悲惨以外に言葉が見つかりません。地方経済の疲弊は一段と進むでしょうし、この状況が去った後の日本全体を考えると恐ろしい状況が待っている気がします。
春の高校野球は中止になってしまいましたし、様々な公共施設やレジャー施設の閉館、音楽や演劇等の公演の中止も続いています。当初は3月中旬までとされていましたが感染者の拡大を受けて閉館や中止が延長されており、4月上旬までは閉館や中止が続きそうです。そいうった施設や興業にとって春休みは稼ぎ時のはずでしたが、今年は開催そのものが不可能のようです。相撲や野球など、スポーツの無観客試合は悪夢か悪い冗談にしかみえませんでしたし、観客のいないこういった講演や試合の難しさを痛感しました。さらにこういった状況による売上の減少は相当なものでしょうし、大型の施設や興業、試合であれば関係先も多岐にわたるため、経済への影響は計り知れませんし、施設や興業、試合に関わる企業や個人が倒産や廃業してしまうと、新型コロナウイルス終息後にそういった興業を行おうとしても、事実上不可能になってしまう可能性もあります。
とはいえ感染拡大が収まるのはいつか解りませんから、安易な開館や公園の催行も非常に危険となります。再開すれば密集した空間に人が集まったり、日本全土から多くの人々が移動することになります。マスクや消毒薬すら市場に枯渇している現状で、感染終息を見ないままこういった事態が起きれば間違いなく感染者は増えるでしょうし、医療体制に対する負荷は相当なものになると思われます。
テレビやラジオ放送も、今後は影響が出ると思っています。出演者やスタッフが新型コロナウイルスに感染すれば、スタジオでの収録やセットでの撮影ができなくなります。主役が罹患すればドラマが成立しなくなりますし、回復を待っても連鎖的に他の演者が罹患する可能性もありますから、ドラマそのものが成立しなくなるでしょう。ニュース等もレギュラー出演者を変更しなければならなくなりますし、バラエティも構成そのものを変えたり成立しなくなったりする可能性すらあります。
企業活動も、少しずつ影響を受けるでしょう。プロジェクトやチームのメンバーが五月雨式に感染すれば、長期で仕事が停滞してしまいます。結果として製品やサービスの流通に影響が出たり、サービスが提供されないことになるでしょう。逆に産業そのものの停滞で、関連する商品やサービスが不要になり、結果として企業活動が停滞する可能性も非常に高いと思っています。私の所でも新人研修が影響を受けており、Webベースの教育に切り替わる可能性が日々高まっています。私もこれに取り組まなければなりませんが、Youtube同様Webベースの講義は、長時間のものは向きません。画面を眺めてられるのは5〜10分でしょうから、これに対応した講座に変えなければなりませんが、その経験もノウハウもありませんから相当に苦戦しそうです。結果として評価が悪ければ来年の仕事はなくなりますので、非常に大きな影響を受けることになります。
2020年度は来月から始まりますが、大半の企業の業績は悪化するでしょうし、そこに勤める人間の給料は下がりボーナスも出なくなります。それどころか企業そのものが存続できない可能性もありますので、来年度は倒産や廃業、リストラによる多くの失業も予想されます。それをカバーできる政策や補助金があればいいのですが、現状の日本を考えるとかなり期待薄です。
この状況を解決する画期的なアイディアを、私は持っていませんし、これが起きるべき未来なのでしょう。この世界危機を乗り越えるアイディアをもつ若者が次の世界を創り出すのでしょうが、邪魔をする年寄りが世界を危機に陥らせます。無責任なアイディアと実行力のある若者と、経験と悪知恵のある年寄りの戦いの結果が、この先の未来を決めてしまう気が私にはします。