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Weekly report

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 March Fourth week

 新型コロナウイルスのパンデミックにより、全世界で感染が広がっています。

 患者数は世界で32万人弱と、先週に比べ二倍になっています。死者の数も二倍以上であり、パンデミックの恐ろしさを感じざるを得ません。今週は特にヨーロッパと米国の拡大が急速であり、地続きである二つのエリアを中心に今後も爆発的な感染が予想されます。

 この結果を受けて、とうとうオリンピックも怪しくなってきました。政府やJOC、東京都は強気の発言を続けていましたが、ここにきて世界から批判を受けその姿勢が怪しくなっています。理由はいくつかありますが、まずはパンデミックに伴う外出や活動制限によってオリンピック候補を絞る大会が開催できず、各国代表の選出が難しくなっています。さらに候補選手も練習ができず、最高のコンディションで大会を向かえることが難しくなっています。さらに拡大が続き効果的な治療法や予防法が見つかっていない現状で、夏に開催を行っても感染が広がるだけという予想もあり、参加そのものを棄権する選手や国が出始めています。カナダは終息しない状況では選手団を送らないと明言していますし、世界中の選手も危険を表明しています。

 仮に私がオリンピック選手や関連スタッフだった場合、その時点で罹患していなくても開催地で罹患する可能性があるのであれば、現地に赴くことを相当に逡巡すると思います。なぜなら罹患した場合自国に戻ることが難しくなりますし、十分なコミュニケーションが取れない医療体制のもとで治療を受けることも相当に抵抗があるためです。見知らぬ異国の地で家族とも会えず朽ち果てていく自分の姿を想像すれば、開催地に赴く勇気は相当なものになることが予想されます。

 もちろんオリンピック委員会は十分な検疫を行い、感染が疑われる選手やスタッフを選手村には入れない、と明言しています。しかし選手やスタッフは折角訪れた国で外出しない、ということはあり得ないでしょうし、そうなれば感染の可能性は高まります。二週間という期間で開催されるのであれば、日程が進めば進むほど感染者の出現可能性は高まりますから、開催したとしても大混乱する、あるいは競技そのものが行えない可能性もあります。

 ここにきてIOCも、1か月を目処に延期の検討を始めると発表し、いよいよ延期の可能性も強くなってきました。これを受けて大会組織委員会も、延期を含めた様々なシナリオの検討を会見であきらかにしました。(しかし大会組織委員会の元総理は、相変わらずいい加減な発言で笑ってしまいました。この元総理、在任中はIT(アイティ)をイットイットと発言していましたし、今回も延期ではなく延長延長と連呼していましたね。)

 政府も経済の落ち込みに対し一人あたり数万円の給付金支給を検討している、などとボケたことを言っていますが、今本当に必要なのは現金よりも必要枚数のマスクと消毒薬の配布な気がします。何度も申し上げているとおりいまこそマイナンバーを活用し、強制的にマスクと消毒薬を買い上げてマイナンバーや在留カード番号を使って適正な配布を行うべきと私は考えます。

 とはいえこのような理由で今年のオリンピックは無理となりそうですが、日本でもパンデミックの可能性は日々上がっていることを痛感します。先週末意を決して街中の飲み屋に行っていましたが、すいてはいるものの若者を中心とした客が多くの店に入っていました。若者は重篤化しない、という事なのでしょうし、卒業や移動など別れを惜しむ機会も増えているからなのでしょう。しかしこういった若者が全国から集まるのが、この4月です。新入社員は続々と東京に集まってきていますし、学生も上京してきます。若者は重篤化しない、という前提で彼らがさまざまなところに移動したり集まったりすれば、オーバーシュートは確実に起きます。

 折角東京に上京したのですから、暇な内に観光をしたりイベントに出たり、というのが普通でしょうし、そこで感染した人間が新人研修等で集まればオーバーシュートの可能性は本当に高まります。最近の大企業は、全員を収容する会議室を持っている所は少なくなっているため、研修会場を借りて新人研修を実施します。となれば、その研修会場となるビルにたった一人の感染した若者がいるだけで、数日の内にビル全体でオーバーシュートと言われる感染が爆発的に広がるでしょう。 これは高校や大学などでも同様であり、新入生は一カ所に集めて入学式やオリエンテーションを行いますから、同様の事態が生まれます。

 こう考えてみると、日本におけるオーバーシュートは、4月以降に起きると思われます。2月から怖がってマスクを使ってきた方は本当に多いと思いますが、ストックが切れ始めた4月から本当に必要な時期が始まると私は考えています。中国企業は世界的な需要を背景にマスクの売り惜しみをはじめたようですので、マスクが市中に流通することは今年中は絶望的でしょうし、消毒薬も同様でしょう。オーバーシュートを止める手段が限られた現在、我々にできることはほとんどないのかも知れません。

 私も4月からは複数の企業の新人研修を担当していますので、感染の可能性は非常に高まると考えています。本当は講座を辞退して熱川に蟄居していたいのですが、諸般の事情で許してもらえそうもありません。オーバーシュートの可能性が高いため移動だけでもリスクは高いのですが、上記の理由で講座中はもっとリスクが高まるでしょう。還暦間近ですし高血圧と狭心症、なにより喘息の持病をもつ私にとって、どうやら今年が年貢の納め時になる可能性が残念ながらきわめて高まってしまいました。武官でもイタリアでも、死者の大半は、高血圧だったようです。

 『皆様、存命中のご厚情、本当にありがとうございました。』と、このページの更新が途絶える前に残しておきます。これが冗談で終わることを、心から願うしかありません。