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Weekly report

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 March Fifth week

 2019年度最後のWeekly Reportです。本来であれば企業活動の一年を総括すべき日なのですが、それどころではない、というのが世界の状況です。日本企業はこの四半期急減速を強いられましたし、秋まではこの状況が続くと予想します。となると、未曾有の大不況機に突入しそうな気配です。

 先週24日、とうとうオリンピックの延期が決定しました。日本政府、IOC、JOC、WHO、東京都といろいろな関係者が開催決定をお互いに投げ合っていましたが、結論として一年を目処とした延期に変更されました。これにともない先程の関係者も手のひら返しとなり、急速に日本もコロナウイルスの拡大発表と強権的な対策を行いだしたようです。東京 都を中心とした首都圏の各県は移動の自粛を一斉に求め出しましたし、東京とのロックアウトの可能性すら言及するようになってきました。先週までコロナウイルスはコントロールできている、という舌の根が乾かないうちの発言には本当に無責任としかいいようがありません。

 私の友人も、3月20日〜4月5日まで予定していた「舞台 スマホを落としただけなのに」の公演をすったもんだのあげく幕を開けることができたのですが、30日からのすべての公演が中止となり、先に発表していた週末の休演前の27日で突然落日になってしまったようです。無責任な為政者の二転三転がこんな所にまで影響を及ぼすとは、本当に無責任のつけを関係の無い多くの方々がしょわなければならない現実が腹立たしくなります。

 ともあれ感染者は拡大の一途をたどっていますし、今週末の外出を減らしてもその勢いが止まることはないと思われます。むしろ一週間以上前に感染した患者がどんどん発症していくだけでしょうし、それまでに多くの菌をばらまいている可能性は高いと思います。さらに感染の中心が若者であれば家族への感染も広がるでしょうし、すべての街で感染が拡大すると考えた方が素直です。医療崩壊につながらないような対策を国と自治体が講じることを切に願いますが、今の日本にそれだけの先見性とリーダーシップをもった人間はいないのかもしれません。

 この数日感じていたのは、我々の多くが体験していない戦争状態が始まったということです。戦争が始まったのですからさまざまな制約や困難を乗り越えなければなりませんが、死への恐怖も徐々に明確化しています。いつ自分が選ばれ、それは回復できるものか致命的なものか。年齢や性別、職業や正確を一切問わない無差別な戦いが始まってしまった感じがします。

 その中で私自身は、命令で戦地に赴かなければならない兵士の気分を味わっています。これから始まる新人研修では、国が回避を厳命する三密(密閉空間、密集場所、密接場面)の状態が普通ですので、残念ながらかなりの確率でコロナ感染が始まります。彼らの大半は軽症で済むのでしょうが、高血圧や喘息のある古参兵の私には致命的となりかねません。兵隊を辞めて逃げてしまいたいところですが、 上の命令があれば出撃せざるを得ませんし、拒否の権利は残されていないようです。仮に拒否すれば、非国民のそしりを受けるがごとくその後の仕事はありませんから、残念ながら出撃以外の選択はないのです。これは私だけではない多くの古参の講師にいえることであり、その命令は三密の現場に常駐しない被害を受けない人間によってなされます。

 これと同じ恐怖を、これから多くの古参の講師や学校の教師が味わうことになります。彼らは現場で最善を尽くしますが、一定の比率で罹患し重い後遺症が残ったり命さえ失う可能性があるのでしょう。多くの教師は 労災に認定されるでしょうが、傭兵である我々には一円の保証すらありません。そのさまざまな恐怖に耐えながら職場に向かうのは、戦地に向かう兵隊と同じ気分ですし、真剣に命のことを考えてしまいます。

 私の会社でも、私自身危険の無いWebベースの研修に切り替えるよう願っていましたが、東京都がロックアウトの可能性を宣言をするまで積極的に顧客に働きかけることはありませんでした。宣言のおかげで金曜日からやっと重い腰が上がりましたが、4月1日を目前に事すでに遅しの状況のようですし、顧客の温度の高まりよりも楽観論のほうが勝っている感じがします。

 平和ボケした日本には、このぐらいの危機感が必要なのかもしれません。とはいえ自分の命の危機を感じるこの状況が早く好転することを、心から願ってやみません。