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Weekly report

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 April Third week

  とうとう日本全国に、緊急事態宣言が出される事態になりました。特に全国の拠点都市を中心に重点的に発令され、日本全体が厳しい状況になったようです。世界の感染者衆は220万人で、日本も1万人に届く勢いですから緊急事態宣言はやむを得ないところでしょう。

 政府は収入の減った国民に30万円を支給する案を翻案し、一律10万円という形に変えました。これで申請の面倒な手続きが軽減されたといえますが、相変わらずの節操のなさです。何のための支給かを考えずに政権維持のためだけに行おうという姿勢が、ありありと見て取れます。そのつけを最後は国民が払うわけですから、本当にこの国の政府と官僚は頭がおかしいとしかいいようがありません。

 とはいえコロナ自粛によっても、現状は感染者が増加し続けています。緊急事態宣言の効果がでるのは連休明け、といわれていますが、商店街の状況などを見ていると本当に減っていくのは疑問が残ります。悲観的な見方も多く提示されるようになり、本当の終息には今後数回の感染爆発を経ながら2〜3年かかるのではないかという予想も出ています。私も今年前半は通常の経済活動は無理と思っていましたが、2020年度は基本的に限定的な経済活動しかできないような気がしてきました。私の会社でも結局当面のセミナーは、インターネットを使ったウェビナーに変更されています。通常の集合研修は初夏までなくなり、その後の状況も不明確です。外出しなくていいのは有り難いですが、仕事が相対的に減ってしまうことは本当に辛いところです。

 さて、世界の多くの国で経済活動の自粛や外出の禁止などが行われていますが、その影響が生活面で徐々に起きている気がします。マスクやアルコール、ハンドソープの枯渇は数ヶ月続いていますが、それ以外にも様々な製品が品切れになっています。

 まずはテレワーク関連の製品です。私は早めに手配したため影響はありませんでしたが、現状ではPCに付けるWebカメラはほぼ品切れです。おそらく多くの製品が中国で生産されているため、中国の経済停止の影響による供給低下と需要の急増から品切れが発生しているのでしょう。それ以外にもマイクや、意外なところではイスが品切れです。家庭内で長時間座るためイスが必要になるのでしょうが、それでも廉価なものを中心に品切れになってしまっています。

 そのほかに、家庭用ゲーム機もあっというまに枯渇です。任天堂switchは2月には3万円程で売られていましたが、現状は倍の5〜6万円で販売されているケースがほとんどです。任天堂も自社のホームページで時々直販を受け付けていますが、瞬時に売り切れるなど需要と供給がつりあっていません。書籍も品切れが増えている感じがします。やはり在宅で時間を持て余すのか、Amazonではさまざまな書籍が欠品となっており、次回入荷不明という表示がなされているように思います。

 私の家内は14年ほど乗っていた愛車がさすがに老朽化したので、2月初めに新車を発注しました。先日納車はされたもののいくつかのオプションパーツが届かず、現在も納期未定です。特にフロントカメラとETCを車体につなぐケーブルが中国での生産見込みが立たず繋がらないため、カメラとETCが使えないのは本当に不便です。最近の車は灰皿がないためゴミ箱を買おうとしましたが、こういった製品も多々品切れになっていることにはちょっと驚かされます。

 こうやって考えてみると劇的に需要が増加したマスクも含め、我々の生活にものすごく多くの中国製品が浸透していることに気づかされます。一昔前に「チャイナフリー」などという取り組みを行った米国人がいましたが、現在の日本でも中国製品に対する依存度が極めて高くなっており、今回のような中国の生産や流通が止まれば生活に支障を来す事態が生まれます。マスクや防護服、その材料となる不織布などはもちろんのこと、医薬品や日常の消費財、食品などさまざまなもの、あるいは原材料が中国製であることに今回改めて気づかされました。もちろん自動車のように完成品は日本で生産されていても、その部品や材料は中国製であるものも多く、こういった事態に対する脆弱性は極めて強いことが解ります。

 先月末にも記したとおり、今回の新型コロナウイルスとの戦いは戦争の様相を示しています。しかし徐々に不足が始まったさまざまな物品を見ても、実は多くの国々の根幹は中国に支えられていることを痛感します。しかし中国は米国に代わって世界の覇者になろうとしていますし、批判のあるWHOのように国際機関ですら中国の思惑に従わざるを得ない事実もあります。となると、世界の多くの学者が指摘するように中国と世界との戦争は音もなく始まっており、我々は戦略的に極めて危険な状態にあることを気づかされてしまいます。

 もちろん中国はものすごい勢いで成長しており、経済力の強化にともない今のように世界製品の工場としての機能を果たせなくなる時が必ず来ます。しかしそのときには中国の代わりとなる国が出現しますし、それはおそらくアフリカの国々でしょう、しかしその国が意志を持って世界経済を握ろうとすると、これまで以上に脆弱な世界がうまれてしまうことを、今回は強く感じざるを得ません。我々はこの事実をきちんと認識し、日本が自立できるようにもう一度国内の生産体制を見直すと同時に、今後世界の工場となるべき国との強固で友好な関係を構築していく必要があるように私は思います。