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Weekly report

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 August First week

 新型コロナウイルスの感染拡大はまったくとまりませんが、季節は夏にシフトです。いよいよ今年も8月に入ってしまいました。

 お気楽政府の思いつきで行ったGO TO トラベルキャンペーンのおかげで、首都圏在住の人間が全国に旅行し、順調に新型コロナウイルスをばらまいています。先月31日には、新規感染者数が1,323名と過去最高を数え、日に日に感染者数が拡大しています。これまで発見されていなかった岩手県でも感染者が見つかり、これでいよいよ全国的に感染が拡大しています。首都圏からの旅行者の多い沖縄県の感染者数はうなぎ登りで、医療崩壊の危機に直面しているともいわれます。

 観光産業の振興のために国民の生命を犠牲にしようとする無能な政府は夏休みを決め込み、一切の機能を果たしていません。それどころか誰も使わないマスクを国民の血税を使って発注し、配布ができないから返品ではなく国として備蓄するそうです。その何%が政治家の懐に流れ込んだか知りませんが、この末期的な政府に自民党内から異論がでないほど腐りきっているのが現在の国政の状況のようです。

 東京医師会は先日の緊急会見で、 特措法の改正で強い命令を発しない限り、この感染拡大は止まらず医療崩壊に繋がることを警告しています。自民党を後押しする医師会の人間がこのように強く発言するのはよっぽどのことですが、それを無視する自民党の姿勢も本当にどうかしているとしかいいようがありません。メディアも追求せず及び腰ですし、大して効果の無いマスク論議などを相変わらずくり返しています。経済の復興は飲み屋やカラオケ店、観光業ばかりですし、日本の経済構造をまったく無視しているとしか思えません。

 国民の何割かが死亡し、優秀な頭脳や卓越した技術を失うことの方が、日本にとって脅威となります。たとえば医療従事者の育成には多大なこコストと長期間の育成時間がかかります。飲み屋やカラオケ店を営んでいる人間を軽視しろとはまったく思いませんが、そういった専門家を失うことが日本にとっては脅威になります。ワクチンの開発を見ても、世界でリードしているのはドイツや米国であり、日本企業がそこで競っている噂は効きません。つまり日本の技術力や開発力が落ちているのであり、これを高めない限り日本の没落を防ぐことはできないのです。となれば、目先の経済ではなく、5年、10年先を見据えた経済対策が重要になりますし、それを重点に考えず目先の事象に予算をばらまいても政治家の人気取りにしかなりません。

 今国家予算を投ずるべきは、日本の技術を世界に提供し外貨を稼ぐ部分と、新型コロナウイルス関連のさまざまな取り組みに対してです。医療機関が赤字で崩壊する、などということがあってはいけませんし、そのために専門家の育成や施設の建設に予算を投じるべきです。さらに新型コロナウイルスの専門家を増やすことで他の医療分野と分離を行い、新型コロナ患者以外の通常医療業務を積極的に行わせるべきです。そのために必要な医療改革や制度改革、規制緩和を本気で考えるべきと私は思います。

 まずは看護師のあり方を変えるべきと思います。日本の看護師は能力の割りに裁量権が与えられていません。米国の看護制度では、簡単な診断や投薬は看護師が行えます。となれば、希望する看護師に対して追加教育を行い、こういった診断や投薬、治療行為を認めるべきです。そうなれば相対的に医者の負担が軽減されますから、専門性の高い医療業務に医者が特化することが可能になります。

 さらに新型コロナウイルスの専門家や専門組織を設立し、通常医療と分離すべきです。新型コロナウイルス関連の業務に従事する医療関係者には国が補助金を出し、人員を確保すると同時にモチベーションを高めさせます。同時に新型コロナウイルス専門病院に患者を集め、通常の医療業務とは分離します。そうすればさまざまな手術や治療行為を新型コロナウイルスの危機がなく行えますから、通常の医療機関の効率も上がります。

 これによって医療関連機器の流通量が増えると同時に、実力のある医療従事者の数が増えます。となれば、医療崩壊が起きにくくなるだけでなく、必要となる様々な医療機器や設備の需要が高まりますから産業の活性化に繋がります。さらに高齢者施設の待遇も改善され、重篤な状態になる前に治療が行えますから医療費の削減にも繋がりますし、高齢化社会にとってメリットが大きくなります。

 このように、誰かの利権ではなく国民の幸福をもとに施策を積極的に実施するなら、日本の社会構造を変えられますし、新型コロナウイルスのような未知の事象にも対応が可能になります。もともと限界まで衰退を放置した観光産業を場当たりで救うような施策を行うのではなく、長期的な視野に立った抜本的な経済改革がこの国には望まれますし、それを実行しうる志のある若者をもっともっと沢山育成すべきと私は考えます。