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 October Second week

 すっきりしない天気が続き、とうとう週末は迷走台風が吹き荒れた10月の第2週目のWeekly Report です。

 さて政府は、病院等でのオンライン診療を原則認めることで協議を始めました。現状は新型コロナウイルスに限って認めているオンライン診療の範囲を拡大し、すべての分野でのオンラインでの診療を認めるようです。これによってさまざまな基礎疾患のある患者にとっての利便性は上がりますし、病院に行くことが難しい高齢の患者にとっては非常にメリットのある施策といえるでしょう。

 私もそうですが、さまざまな疾病で継続的な投薬が必要な患者は、定期的に医者の診察を受ける必要があります。平成14年に薬事法が改正され薬の長期処方の上限はなくなりましたが、現実には多くの診療機関では患者に定期的な診察を要求します。さまざまな長期疾患でもその状態を確認する必要がある、というのが医者の言い分でしょうが、その裏には定期的な診察を求めないと医療機関側の収入が上がらない、といった本音も見え隠れします。いずれにせよ患者は定期的に医療機関に赴く必要があますし、時間的・経済的な負担は小さくないでしょう。現在私は熱川での隠遁生活中ですが、それでも月に一度は診察のために神奈川の自宅に帰らざるを得ません。この負担がなくなるだけでも、大きなメリットのように思います。

 これがオンライン診療になると、医療機関に赴く手間や時間が省けますし、交通費などの負担も軽減されます。システムの作り方によりますが、予約時間をきちんと決めることで患者の待ち時間も減らせる可能性が高まります。またインフルエンザの時期などでは、待合室で罹患してしまうリスクも避けられますからメリットは大きいように思います。なにより世界のどこにいてもかかりつけの医者にかかれる、というは患者にとってのメリットは大きいように思います。かかりつけ医の情報やカルテ、お薬手帳などを電子化すれば、外出中の事故や急病でも適切な診療・投薬を受けることが可能になりますし、かかりつけ医のアドバイスがあれば急病を担当する医者の負担も下がるはずです。

 しかしながらこの制度は、現状のままですと診察の精度を下げる懸念があるため、日本医師会は反対しているようです。どのような病気であってもまともな医者は患者に聴診器を当てますし、問診以外に触診なども行います。重病が疑われる場合は検査も行いますが、オンライン診察ではこれらができなくなりますので、診察の精度が下がるというは理解出来ます。例えばインフルエンザの疑いがあって医療機関で受診した場合、必ず医師は検査キットを使ってインフルエンザ罹患を特定するはずです。オンライン診察ですとこういった検査が行えなくなります。となると、オンライン診察は医療機関の収益に大きな影響を与える可能性もあります。とはいえこれらは技術によって解決がつくものが多く、患者にとってのオンライン診察のメリットを無視する理由にはならないと私は考えています。

 まずは聴診器ですが、これはスマートフォンのアプリによって解決がつけられる可能性が高いと思います。マイクを当てる場所を医者が特定し画面で確認すれば、呼吸音や心雑音等を聞き取ることは可能と思います。場合によってはアプリケーションをクラウド化し、様々な呼吸音や心雑音等を診断できるAIを組み込めば、医者がスピーカーに聞き耳を立てなくても自動的に初期診断することが可能になるでしょう。AIで疑義がある場合のみ医療機関での直接受信を義務づければ、見落としによる問題は生じにくいように思います。

 インフルエンザ等の検査は、ドラッグストアや調剤薬局からの配達で可能になると思います。特に全国規模のドラックストアであれば、検査キットを常備し検査できるようできるはずです。もちろん医師法の改正は必要となりますが、薬剤師や看護師などが検査をできるようにすれば医者が行う必要はなくなります。さらに宅配業者やUber Eatsのような宅配サービスと組めば、リアルタイムの配達と回収も可能にできます。疑義のある患者の近隣のドラッグストアから検査キットを配達し、一定時間後に再回収、検査を行えば、対面の検査でなくても診断が可能になります。採血に関しても同様であり、そういった自動化・電子化されたキットを作り配達・回収する方法を確立すれば、すべてとはいわなくてもかなりの範囲での検査が可能になると思われます。

 将来的には、無人の自走自動車にそういった設備と基本の薬品を搭載し、自治体などに配備することが望ましいと思います。医者がいなくても24時間無線ネットワークを利用してオンライン診断に対応でき、投薬や簡単な治療が行える機器をつくれば田舎の医療問題は解決できる可能性があります。また都会でも医者に行けない、いくことが難しい老人などにこういったサービスを提供すれば、家族を含めた負担が軽減できる可能性は非常に高いように思います。

 新型コロナウイルスで明確になったとおり、日本では医療従事者の数が減少傾向です。さらに都会への集中度が高く、田舎では医師や看護師が不足している現状もあります。その反面医師会は医者の権益を守ることで汲々としており非常にアンバランスな状況が生まれています。

 大切なことは日本に住む人間が均等に医療を受けられることであり、そのために必要な制度や機器等は積極的に導入すべきとおもいますし、規制も緩和すべきと思います。AIや医療システムのサポートによって看護師や救急救命士、薬剤師の業務範囲を拡大して現場の医師の負担を少しでも下げるべきですし、患者の生存率も高めるべきと私は思います。同時にさまざまな自動化・電子化された医療機器を積極的に導入し、医療サービスの水準を人間に頼らずに高める必要があると思います。同時に患者のカルテや投薬記録をクラウド化し、その人間の本人認証によってすべての医療機関や薬事サービスなどで利用できるようにすべきでしょう。

 こうした取り組みを行えば日本の医療水準はさらに高められますし、医療コストは相対的に下げられます。同時に医療従事者の負荷を下げ、患者に対するサービスレベルを高められます。それぞれが自らの権益を守るために旧弊な制度にしがみつくのではなく、国民の目線で本質的な検討と規制緩和が求めラテいるように私は考えます。

P.S.
 どうでもいいことですが、Uber Eatsを調べていて早朝から笑わせていただきました。神奈川の配達エリアを調べると、「世田谷区」と「町田」は神奈川だそうです。町田はまだしも、世田谷が神奈川とは...