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Weekly report

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 December First week

 いよいよ今年も師走を迎えました。今年は新型コロナウイルスに翻弄された一年ですが、来年もこの調子は続きそうです。来年の秋には落ち着いてほしいものですが、世界を見る限りまだまだ油断のならない日々が続きます。

 政府肝いりのGO TO政策も、感染拡大の中で知事が判断しろ、という無責任な対応しかされません。どうにか感染拡大の続く首都圏からの移動は制限するようにしましたが、それも政府ではなく知事判断ということで、政府そのものは明らかな責任逃れをしています。経済を担当するのは国だが、感染の拡大防止は都道府県の責任、といった具合に権限を分けて上手に責任逃れをしようとしていますが、そのつけはすべて国民にくることを忘れてしまっているように思います。今後が非常に気になるところではありますが、それでも国民の数割が命の危機にさらされるまで政府は国民を冷遇しようとしていることは間違いないようです。

 週末は所用があり名古屋に向かいましたが、やはり街中は結構な混雑でした。名古屋の感染者数も一日あたり200名前後発生していますので、決して油断できる状態ではありません。それでも経済を優先する施策は相変わらずなのか、週末の名古屋の繁華街は相当に混雑してたように思います。特に若者は名古屋を代表する店などに行列を作っており、その間隔も決してとられているわけではありません。マスクを外して大声で元気に会話に盛り上がっている風景は、やはり初老の私には怖く感じました。彼ら自身かからない、かかっても重篤にならないという過信があるのでしょうが、それを声高に叫んでいた米国や欧州の状況を考えると、日本の半年後を予想すると暗澹たる気分になってしまいます。

 感染拡大を防ぎながら経済を回す、という考えはわかるのですが、はやり飲食店や観光産業を中心とした施策ばかりが目立ち表面的な取り組みに思えてしまいます。新しい技術や製品を開発して関連する産業全体を活性化させる、画期的なシステムを構築して国民の安全を確保するなどもっともっと抜本的な対策を打つべきと思うのですが、国会議員のビジネスセンスのなさが露呈し表面的な事象ばかりに予算が割かれているように思います。

 医療崩壊が直前まで来ているのであれば、医師や看護師制度を緊急に見直し、診療施設や治療機器の拡大や教育研修システムの充実など、患者の症状を軽減し大きな感染を防ぐような施策で設備投資や機器の開発を行うべきでしょう。医療を中心に経済を回しても経済は回復しますし、薬品や糧食などもきちんと回転していくように思います。

 システムの観点では、医療事務の負荷を下げるようなシステム開発が急務に思います。現状新型コロナウイルス患者を抱えている医療機関では、関連する医療事務作業が膨大になってます。医療現場から離れているといっても医師や看護師が付近にいるためか医療事務を希望する人材が極端に不足し現場が混乱しています。病院や医療機関も医療事務をしないと保険料がもらえなかったり医師や看護師の人件費、医薬品等の支払いに支障が出ますから非常に重要な業務といえます。しかしそれが滞ることでそれらの支払いが遅れれば、やはり経済が回らず最悪離職者も生まれるでしょう。

 逆に医療事務を合理化するようなシステムをクラウド上で開発し、業務そのものもアウトソーシングするような仕組みを作れば、現場の人間の負荷は下がり経済が回ります。さらにはそのシステムの開発・運用する企業は非常に大きな収益を上げることが可能です。それらの施策の実施や開発費用を国が持てば、無策に飲食店におカネをばらまくより遙かに大きな効果が生まれると思います。

 さらには保健所の追跡調査についても、自動化、インターネット化する、あるいはスマートフォンの移動情報をキャリアに依頼し、感染者の番号で移動を追跡するような仕組み作れば、抜本的にこれらの業務を軽減できます。逆に分析にはスーパーコンピュータクラスの機器が必要になりますし、AIなども積極的に使う必要があります。これらは今後も発生するであろう感染症の対策にも使えますし、人力で調査するより効率面、効果面、今後の利活用面で非常に大きな投資効果を発揮するでしょう。

 このように目先の経済対策ではなく、新型コロナウイルスを押さえ込み医療機関の崩壊を防ぐような投資を、国は積極的に行うべきです。表面的な火消しではなく、次世代につながる投資によって経済を活性化させるような施策を、今こそ考えるべきなのですが...日本の国会議員と官僚ではムリなのでしょう。この国の明日は、やはりこれからの優秀な若者に譲るべき時が今到来しているように私には思えます。