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Weekly report

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 April Fourth week

 いよいよ四月も最終週に入りました。今週後半からは待望のゴールデンウィークです。

 とはいえ月曜日から東京都に緊急事態宣言が発令され、5月11日まで続く予定です。今回の緊急事態宣言を受けて、都知事は以下のことを要請しています。

 ・不要不急の外出や移動の自粛
 ・県をまたぐ移動の自粛
 ・ゴールデンウィークの谷日も企業に休業を要請し12連休の実現
 ・カラオケ店や遊興店の閉店
 ・大規模商業施設の休館
 ・スポーツ、観劇等のイベントの無観客開催
 ・鉄道事業者への終電の繰り上げや本数の減少
 ・終日酒類提供の自粛と20時以降の閉店
 ・20時以降の街頭の看板やネオン、イルミネーションなどの停止
 ・路上飲み対策としてのコンビニエンスストアの酒類販売時の年令確認の徹底 など

 突っ込みどころ満載の上記の施策をみて、この都知事は本当に正常な人間なのか、素直に疑問を持ってしまいます。

 まずはゴールデンウィークでの不要求の外出や移動の自粛です。規制はするな、初詣に行くな、花見はするな、酒を飲むなとこれだけ都民を上目線で自粛に追いやった上に、接客のゴールデンウィークは外出せず家にこもれということだそうです。その上企業には12連休の実施を求め、長期休みはやるけどおとなしく家に閉じこもっておけ、近所の公園に行くこともまかりならぬ、と要請するそうです。事実都が運営する公園も利用制限をするようですし、公共施設は連休中はお休みですから、体力の有り余った子供のいる家庭は、子供と一緒に部屋で大騒ぎするかベランダでBBQでもして近所迷惑をかけてもしかたない、それでも周りも一緒だから我慢しろ、と考えているようです。

 細々と頑張っている飲食店にもお酒の提供をやめさせ、その上で20時で閉店しろですから商売をするな、といっているのと同然でしょう。それでも支援金や補助金はそのうち気が向いたら払うから、それまで何とかしろという姿勢ですからあきれてしまいます。社会のためにお上のいうことをきくのは当然、しかし潰れるのは自分の努力が足りないからと、弱者救済の原則をきれいに忘れたお上の姿勢です。それならば都庁や都の公務員も全員給料カットし、それで生計が成り立たないのは自分の努力が足りないと首長自らが命じていただきたいと思っています。

 大型施設に関しても、緊急事態宣言直前に突然閉店を要求していますから、施設や企業の準備など期限までに徹夜で済ませということなのでしょう。そのくせ1店舗20万円と雀の涙にもならない金額を払うと言っていますが、これもどう考えているのでしょう。休業期間中にかかる様々な経費二かかる税金や固定資産税を免除するというのであればまだしも、休んで収入がなくてもそれらは上納せよ、そのうちから毎日20万円だけ返してやる、というのは横暴以外のなにものでもないように思います。

 スポーツやイベントは自分たちの都合で実施しているのだから客なんか見てなくてもできるだろう、電車を減らせば人は動けなくなるだろう、など、おおよそまともに考えたとは思えない策を次々と民間に押しつけますし、それによってどれだけ企業や団体が苦境に陥っても仕方がない、というのが彼らの本音でしょう。公僕は広く公衆、公共に奉仕する存在であることを忘れ、民衆を指導できるお上であると勘違いしているとしか思えない発言です。

 さらに突っ込みどころ満載なのは、路上飲み対策としてのコンビニエンスストアの酒類販売時の年令確認の徹底です。都知事の思考回路ですと、路上飲みの大半は未成年の集団だから、年令確認を徹底すれば路上飲みがなくなるということなのでしょうか。もしそうだとすると、20歳未満の飲酒を放置している警察の問題といえますし、警察官はこの状況に気づかないぐらいの無能な集団ということになります。普通に考えれば20歳未満よりも20歳以上のほうが多いに決まっていますし、集団に20歳以上の若者が入っていれば、年令確認の問題がなく大量にお酒が買え皆に配れる、ということに気づくはずです。

 ここまでくると、思いつきの連発を施策として強要しているだけであり、自分は東京都の首長なのだから下々の者はお上のいうことを聞け、と本気で思っているとしか思えない状況です。

 そしてとどめは、灯火管制です。戦争中のように夜間はイルミネーションを消せば、新型コロナウイルスは攻撃目標としての居酒屋に気がつかないと考えているのでしょうか。8時に閉店させるのであればほとんどの店は電気を消すでしょうし、それでも点灯しているところは防犯対策だということを都知事は理解出来ないようですね。

 こんな愚策の連発をしながらも、唐突に緊急事態宣言に基づく自粛は11日までとする見え見えの態度も馬鹿らしい限りです。17日に来日するIOCのバッハ会長に、東京は普段通りの街並みだと見せたいがために今回の自粛を行うことが見え見えですし、そこまでしてオリンピックを強行したいという思惑が全く隠れず見えてしまいます。片や全国で新型コトなウイルス感染を喚起するような聖火リレーなどという馬鹿な催しを続けているのですから、国もJOCも都知事も、もはやまともな神経を持っているとはいえないでしょう。

 ここにきて、かつて人気のあったある日本映画の台詞を思い出してしまいます。初の女性トップとして担ぎ出された官僚が自らの権力によって思いつきで命令を頻発し、現場を大混乱に陥れます。けが人まで発生する状況でも現場を消耗品扱いする女性トップは、周りを怒鳴り散らします。

 「みんな勝手なことばかりやるからこんなことに!」

 それにたいしてある老刑事が発します。

 「もうおまえの命令なんか聞けるか。俺たち下っ端はな、あんたが大理石の階段を上っている間 地べたを這いずり回っているんだ。文句も言わず、命令通りにな!」
 「下がれって言っているの!命令を聞きなさい!}
 「これ以上、若い者を傷つけないでくれ..」

 都知事にも是非この映画をご覧いただいて、ご自分の姿にお気づきになっていただければと老コンサルタントは切に願っています。