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 August Third week

 お盆に入って、日本列島は梅雨の末期のような大雨です。全国で洪水や土砂崩れのニュースが続いていますし、伊豆も135号線が土砂崩れで通行止めとなり、東名高速や246号線も止まったことから盆休みの帰りのラッシュが大混乱したようです。さらに盆とは思えない寒い日々が続き、オリンピックと新型コロナウイルスの大感染に起こった神様の天罰のように思われる日々です。

 とはいえこのところ暗い話題ばかりだったので、本日は夏休みと言うことで少し未来の話を。

 中国の陰謀が見事にはまり、世界は電気自動車西府とすることが本決まりとなりました。元々自動車業界においても、中国は世界一になるためあらゆる手を尽くしてきました。ドイツや日本から自動車メーカーを呼び込み、合弁企業を作って中国生産を行うと同時に、自動車の基幹技術であるエンジン技術を学ぼうとしました。しかし世界が百年かけて培った技術は簡単には真似ることができず、エンジンの世界で世界一になることは難しいと判断したのでしょう。

 そこで気づいたのが、電気自動車です。電気自動車であれば、自動車技術で必要なのは真似やすいボディやサスペンションといった技術力をそれほど要求しない部分だけになります。後は安価で出力の高いバッテリーとモーターを準備するだけですから、簡単に競争力を得ることできます。そのため中国は国内で流通する車を電気自動車主体にし、その市場に魅力を感じるヨーロッパにも協調を求めました。

 ヨーロッパはもともと環境意識が高いため、自動車のCO2削減は長年の問題になっていました。となると、電気自動車化を図ることは環境問題の解決の大きな一歩となりますから、中国市場への進出と同時に環境問題も片付く電気自動車案に賛成と言うことになります。とはいえフェラーリやマセラティなどのエンジンを重要とするメーカーが反対すると思われましたが、意外なことに電気自動車化を受け入れ、そちらに向かった車両開発が進んでいるようです。

 こうして中国は電気自動車化をヨーロッパを巻き込んで進めたため、中国市場を狙う米国も同様のシフトをせざるを得なくなります。もちろん米国はテスラなどの新興電気自動車メーカーを有していますから、破綻したビッグスリーに頼るよりこういったメーカーの進出を助け米国の利益を高めようとしていることも間違いないと思います。

 このような状況に巻き込まれたのが、日本の自動車メーカーです。日本の自動車メーカーはエンジン技術を守りたかったため、ハイブリッド車開発に勢力を傾けてきました。年々厳しくなる環境基準はエンジン技術をさらに進化させることで対応し、最終目的である水素エンジン開発までの時間を稼ごうとしたのです。しかしハイブリッド車開発では日本の後塵を拝すと考えたヨーロッパや米国は、電気自動車へのシフトを早めたように思います。

 中国が環境意識から電気自動車へのシフトを図ったと自ら喧伝していますが、それは欺瞞であることは明らかです。なぜなら自動車よりもより多くのCO2を工場生産で排しており、そういったCO2削減には極めて消極的だからです。世界はCO2を100年垂れ流して成長したのだから、中国にもその権利はある、というのが彼らの言い分であり、世界の環境を意識して電気自動車へのシフトを進めているわけではありません。

 こうして未来の自動車は、当面電気自動車が主体になることが既定路線として決まってしまいました。そのためトヨタも電気自動車シフトを本格化させていますし、ホンダもエンジンを縮小し電気自動車シフトを図る事を決定しました。他のメーカもこの路線に乗らない限り未来がないことは理解していますし、そのタイミングと方法を検討しているというのが現実でしょう。

 こうして未来は、電気自動車が中心となることが決まりました。しかしガソリンエンジン車がなくなり電気自動車が主体になると、これまで想像もし得ない問題がたくさん起きることがわかります。

 次回は夏休みシリーズの後半で、それがどういう問題につながるか、それを解決するためにどのような努力が必要となるかを考えてみたいと思います。

 それでは、また来週。