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Weekly report

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 December Third week

 今年も残すところ2週間となりました。

 さて昨日ですが、二年ぶりぐらいで友人の芝居に行ってきました。昨年3月からコロナ疎開で伊豆熱川に籠もっており、基本的に都会に出ることもないため本当に久しぶりの外出となりました。その友人は高校時代からの付き合いで劇団をやっており、メインの俳優が私の親友です。同じ劇団には高校の一学年後輩の俳優・六角精児氏が在籍しております。

 今回の演目は、我々の高校時代の出来事を描いた「ホテルカリフォルニア」という劇であり、私もこれで3回目の観劇となります。今から45年も前の出来事を下敷きにしたストーリーですが、懐かしい名前と懐かしい風景を見て、すっかり昔を思い出してしまいました。

 私の出身高校は、神奈川県県央部の中学校から優秀な生徒をかき集めた進学校でした。神奈川県のナンバースクールであり、進学校でありながらもバンカラな雰囲気が残っていました。勉強ができるのは当たり前であり、それ以外になにかの特徴がなければ自身の存在を意識できないような雰囲気は、まだまだ子供だった高校一年生には厳しい環境だったと思います。当時の私も中学生の時は勉強しなくてもクラスで2〜3番でしたが、高校に入った瞬間学年のビリから数人というレベルでした。多くの同級生が同様の挫折を味わい、そこから自分自身を探すことをはじめたというのが当時の我々であり、勉学に打ち込む者、部活に打ち込む者、自身の趣味に打ち込む者などさまざまに分かれました。それでも自分自身を見つけることができず、ただただ無為に時間を過ごす者も少なくなく、その厳しい思いから高校時代の思い出を封印した方も少なくないと思います。

 私自身も数年前まで、その当時の自分を肯定できないでいました。自分は落ちこぼれであり、地方の大学に都落ちした人間であり、誰も自分なんか覚えていないと思い込んでいました。だから同窓会にも参加せず、部活が一緒だった一部の友人以外との付き合いはほぼありませんでした。例外的に付き合っていたのは、無理矢理予備校も一緒にさせられた(勝手に申し込まれた)俳優になった友人だけでした。同じ思いを持った方も多いでしょうし、黒歴史として自分の中から記憶を消し去った方も多いでしょう。事実現状消息不明の方も数多くいらっしゃいます。

 今回のホテルカリフォルニアは優秀であった方も、生徒会や部活で目立っていた方も、私と同じようにつらい三年間をそれぞれの目線で表現した劇です。事実としてその後大学に入ってから自殺されたK君が主人公になっており、自分の不安やつらさを共有できない孤独感をもった主人公として描かれています。その思いを共有できるからこそ、劇の内容を単純に楽しめない自分もいます。

 あれから50年近くの月日が過ぎましたが、その不安さやつらさは今でも忘れることはできません。タイムマシンがあっても、絶対あの当時に戻りたくないと思います。同時にその当時の自分に、その後の人生は苦労はしてもなんとかなると伝えてあげたい気持ちもあります。