日々オミクロン株の感染が拡大し、記録的な感染者の数になっています。
金曜日時点で、東京の感染者は9600人/日を超え、全国では5万人を超える感染者が発生しています。通常株からデルタ、オミクロンと変異する毎に強毒性は下がっているように思えますが、それでもかかれば重篤な状況になる可能性は否定できません。感染拡大に伴って全国的にまん延防止措置が発令されましたが、これでどれだけ拡大を防げるかは疑問が残るところです。
まん延防止措置に対しては、経済の停滞を理由に反対の声も数多く上がっています。飲食店や居酒屋がまたもいじめられるのは確かに望ましくないことですし、関連する酒問屋や食品問屋、生鮮食料品関係企業にはは大きな影響がでることは間違いありません。だからといって感染拡大をこれ以上許すと、市民生活に支障が出る可能性が強く指摘されており、我々はこういった事態の今後を本気で考えなければなりません。
今回のオミクロン株は、感染力が高いのが最大の問題です。感染力が高いため数多くの方が感染してしまいます。重症者の発生確率は低いものの、感染した人間は他の人間への感染を防ぐため1週間〜10日間はお休みをとらざるを得ません。発症までの日数は短いとはいえ、濃厚接触者も10日程度は自宅隔離などが必要になりますし、そこで感染が判明するとさらなる日数のお休みが必要となります。これがエッセンシャルワーカーと言われる生活に必須となる人々に起きると、社会が停滞してしまうことになります。
介護や対面販売などの業務を止めることはできませんが、人間が担当する事務作業はITで置き換えられます。現状保健所の業務は多忙を極めますが、仕組みを作ればそれを軽減することは十分可能です。となれば、今後も続くであろう新型コロナウイルスとの戦いに必要な仕組みを作ることは、社会にとっても必要なことです。
こういった業務をIT化するためには、すべてを完全な自動化と考えないことが大事です。すべての例外も含めて情報システムを作ろうとすると、非常に複雑で大きなシステムになってしまいます。完成までに長大な時間がかかるだけでなく、構築中に新たな例外が次々生まれ、結局システムが完成しなくなります。人間の作業が残るなら意味がない、コンピュータと手作業の両方を扱うのは負担が大きいという声に負ければ、結局は非効率な手作業のままになります。
情報システムは万全ではありません。すべての例外を含めて対応しようとするのではなく、現状業務の半分を軽くする仕組みをまずは作るべきです。その上でその稼働後に残った半分の半分(1/4)を自動化に移行し、という形で徐々にシステム化をすべきでしょう。煩雑な業務を半分にすれば、残った業務の何を変えればより楽になるかを考えることができるようになります。さらに手作業が減ったことで時間に余裕ができ、これまで取りこぼしてきた業務を考えたりシステムに加えたりすることができるようになり、結果としてシステムの品質も上がります。
さらに今後のIT化は、それを利用するユーザのリテラシーも重視すべきです。いまやスマートフォンを持っていない人間のほうが少ないでしょうし、すべての仕組みに人間が介在する必要もないでしょう。スマートフォン上のアプリとホスト側の仕組みを通信でつなげて、ホスト側のAIによって質問や問いかけを温泉や文字で行い、その応答を音声や画面操作で行えるようにすれば、エッセンシャルワーカーといわれる人々の負荷を劇的に下げることができるようになります。
今まさに問われているのは、このような仕組みを作り出し無償に近い形で試用させる企業が出現することです。その利便性に企業や組織が気づけば、大きなビジネスチャンスとなります。お金儲けをして、社会を豊かで平和にする。こんな企業の出現を、日本は待っています。