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Weekly report

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 March Fourth week

  まん延防止措置が、先週月曜日にすべての都道府県で終了しました。オミクロン株での新規患者数が全国で3万人/日になったことにより、終了したようです。とはいっても東京都や神奈川県では1日3000名以上の患者数が発生していますから、決して油断できる数字ではないように思います。特に日本はオミクロン株の亜種と言われるBA2の拡大は大きくないため、今後さらなる拡大も否定できません。飲食店や観光地にとってまん延防止措置の解除は望ましいことでしょうが、何の対策もないままの解除はやはり無謀のように思います。

 とはいっても先週末の三連休最終日は、各地の高速道路が50km以上の渋滞となりました。2年間も外出を控えたのですし、やや春めいて暖かくなり各地の桜もほころび始めたことにより、観光客が動き出したのでしょう。電車の移動はやや気が引けるでしょうが、車なら少しは安全という気持ちもわからなくはありません。国が何もしない以上自衛をする必要がありますので、注意して動くようにしたいものです。

 さて少し古くなりましたが、富士通が大型汎用機とUNIXサーバの新規製造から撤退することを決定しました。2030年に汎用機の製造、2029年にUNIXサーバの製造、それぞれそこから5年で関連事業を終了するようです。富士通はもともとハードウェアメーカーですから、それに変わる新しい収益の柱を明確にせずに撤退するのは非常に先行きに不安が残ります。今後の富士通がどのようなビジネスの核を生み出すのか、それともこのままSIerと同じ道程を歩むのかは非常に不透明ですが、一つの時代が確実の終わろうとしていることに感慨を感じます。日立製作所は2017年に大型汎用機の製造を終了していますし、NECは2010年に入ってハードウェアの製造を終了していますので、日本のコンピュータメーカーはいよいよなくなってしまう状況です。

 私が社会出たときは、富士通と日立の大型汎用機全盛期でした。富士通はFacom M380が全盛であり、日立もHITAC  M280が全盛でした。IBMとの三社で日本のコンピュータ環境を仕切っており、それがくずれることなど誰も予想できませんでした。しかし1990年代に始まったダウンサイジングの流れにより、徐々にUNIXサーバにその領域を奪われ、最終的にはクラウド化が大型汎用機の市場をなくしてしまったようです。汎用機独自のOS開発には非常にコストがかかりますし、利用できる機器が限定されているとなると投資効果が薄れます。これによって、大型汎用機の世界は行き詰まってしまったようです。

 大変なのは、これらの環境を今でも利用しているユーザでしょう。レガシーと言われる昭和や平成の遺産が稼働しているケースもあるでしょうから、それらの移行や新環境での再構築など、これから多大なるコストと手間をかけた作業を必要です。各メーカは責任を持ってそれらを行うでしょうが、レガシーを置き換えるより全く新しい仕組みをクラウドで利用した方がメリットは遙かに大きいでしょうから、またまた大きな潮流がしばらくは続きそうな見込みです。

 ITの進化とともに、古いテクノロジーを利用した資産の処分が問題になっていきます。逆にこの問題を考えると、ありものを使うクラウド化はあらゆる意味で進んでいくでしょう。しかし他人の環境に任せることは、企業の自立性を失いそこでのトラブルやセキュリティ問題が企業の存続を怪しくしたり、社会へ大きな混乱を残すことになります。この問題の解決先を、我々ITエンジニアは火急かつ真剣に考えなければなりません。 

 皆様の日常が、心安らかでありますように。