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Weekly report

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 August Fifth week

 8月最後のWeekly Reportです。

 この2年間はほぼすべての講座は、Zoomなどを使ったオンラインセミナーになりました。2年前の新人研修の際に手探りで始めたオンラインセミナーですが、2年で200日以上の講座を行ってきたため大分操作などに習熟してきた気がします。受講者の経験値も上がりセミナー自身は非常にスムーズになってきましたが、少し気になる点も出てきました。

 対面の講座では1日中受講者の前にいるため、休憩時間などにさまざまな情報を聞くことができます。現在のビジネスの状況やITの普及度合い、受講者それぞれの講座に対する希望などを直接聞くことができました。しかしオンラインのセミナーになると、休憩時間はカメラ・マイクともオフになり、受講者の声を聞くことができません。当然それはこちらに対しても同様であり、その意味で少しずつすれ違いが起きている感じを受けます。

 さらにオンラインセミナーはマイクを通しての受講になりますし、テレビなどのように専門スタッフが配信を行うわけでもないため、どうしても話す内容がコンテンツベースになります。画面の文字を追っている時間がついつい長くなるため講師の説明をきちんと聞くわけではなく、その意味で集中力はやや下がります。こちらとしては重要箇所、具体的な説明が必要なところはテキストを閉じて直接話しかけますが、どうもその部分だけ集中力が上がるため講師の説明をきちんと理解されない方が増えたように思います。

 強調点は講師の顔を見ながら集中して聴くため、それまでの集中力を失っていた部分とのつながりが弱くなり、こちらの意図とは異なる理解を示す受講者が徐々に増えている気がしています。テキスト中では通常パターンの話を行い、テキストを閉じて実際のシチュエーションなどの説明をすると、テキスト中の説明をわすれて実際のシチュエーションの説明だけを理解しようとすると、講座内容に違和感を覚える受講者がいるようなのです。実際のシチュエーションは教科書的な対応ができないため実践ノウハウや例外的対応を説明しますが、テキスト部分の理解がなされていないので実践ノウハウや例外ばかりのように感じ、講座内容にネガティブに反応するようです。

 結果としてアンケートなどに、「講師の独断的内容が多い」とか「説明に偏りがある」といった記載がなされてしまい、こちらの意図と異なる理解を示してしまうようです。前後の文脈を無視して受講されているためこちらとしては補足のしようがありませんし、アンケートに書かれてしまう以上依頼側企業もその点を指摘し、必要のない講座内容の変更や追加が発生します。場合によっては講師に対する不平不満を直接ぶつけてきますので、こちらとしても解決できない状況に陥ります。

 昔の放送大学のように、無味無臭の講座内容をテキストベースで進めればよいのかもしれませんが、それでは講座の品質が下がるため難しいですし、部分だけを切り取られるとこちらもどうにもできないというのがジレンマです。さらにSNSの普及によって、公人として発言せず私人として攻撃的・独善的なことを記載する受講者も増えていますから、この状況は年々悪化していくように今から感じてしまいます。

 この状況を変える方法を、残念ながら私は持ってませんし、日々心ない攻撃を受け続けるのも疲労が増します。日々悪化する状況を見ながら、徐々に引退に向けて準備を始めざるを得ないと思うのは、年令のせいだけではないように感じる毎日です。