ロシアによるウクライナ侵略が続きます。先日はロシアが2014年に併合したクリミア橋が破壊され、ロシアはウクライナによる攻撃と断罪しています。
クリミアはもともとウクライナの一部でしたが、2014年にウクライナに親米政権が誕生したことにより勝手に独立を宣言し、その後国民投票によってロシアに併合されました。その独立の過程や選挙結果は極めて不透明であり、明らかにロシアが画策した併合のように思います。併合後ロシアは急速に橋梁建設を進め、結果としてロシアとクリミアをつなぐクリミア大橋が完成しました。
クリミア大橋の完成によってクリミアには多くのロシアの物資が流れ込み、ロシアとの併合を住民に好意的にとられるよう行動したようです。しかし今回のロシアによるウクライナの侵略によって、ロシアとの併合をよく思わない多くの住民を占め詰めるために、ロシアはクリミア大橋の爆破に走ったようです。ロシアはウクライナによる爆破を喧伝していますが、戦略的に考えても今回の爆破の恩恵はロシアにあります。となると、こういった行為を行うことでクリミアの住人を脅し、ウクライナに併合されないためには戦うしかないと思わせることが目的のように思います。
いずれにせよロシアはさまざまな方法でウクライナへの侵攻の正当性を主張し完全な併合を目指していますが、反面戦略的物資や兵器が枯渇すると同時に兵隊が激減しているようです。正規軍の兵隊が減ったことで犯罪者に対する恩赦を発行し戦場に送り込むことを行っていましたが、いよいよ一般市民にも徴兵は及んでいるようです。戦争反対を唱える若者を収監し、長期刑にならないかわりに戦場に送り出すことを平気で行っているようですし、貧困家庭の若者を徴兵しほとんど訓練も行わないまま最前線に送り込んでいるようです。結果として兵士の減耗率は上がり続け、ますます兵士が枯渇すると同時に徴兵を逃れるべく海外逃亡を図る若者も増えています。
経済の面でも、欧米の企業は続々とロシアを離れています。世界的なメジャーブランドはほぼロシアから撤退していますし、その残った店舗や工場を使って同じような製品を提供するのが精一杯であり、市民の不満も高まっているようです。
この状況が短期に改善することは難しいでしょうし、第二のアフガニスタンと同じ状況になる可能性があります。最終的にはプーチン大統領かゼレンスキー大統領のいずれか倒れるまでこの戦争は続くでしょう。しかしゼレンスキー大統領が倒れても、親露政権が生まれる可能性は低いですから、プーチン大統領が政権を追われるか命を奪われるまでこの状況は続き世界は混乱します。
恐ろしいのは、この行方を眺めながら中国が台湾侵攻に対する準備をすることでしょう。残念ながら台湾に対する侵略はかなりの確率で起きますし、沖縄など日本も大きな影響を受ける可能性が高いと思われます。国葬や宗教問題にかまけて何も準備をしていない日本政府は、有事の際にどのような対応をとるのか非常に恐ろしいものがあると私は思っています。