先週20日の夕刻、三軒茶屋駅の変電設備で異常が発生し、東急の田園都市線、大井町線が止まりました。復旧には3時間以上かかり、14万人以上の通勤客の足に影響が出たようです。
こういった鉄道の事故は、常に発生します。そのたびにいつ動くか分からない鉄道で待機したり、駅に滞留したり、タクシーやバス乗り場で長い行列ができたりします。いい加減こういった問題を解決する時代が、訪れることはないのかと考えてしまいます。
基本的にこういった事故が起きやすいのは、乗降客の多い首都圏の鉄道です。しかし首都圏の鉄道は少し離れたところで別の私鉄が並行していることが多いので、それを上手に使った対策が講じられないのかと考えてしまいます。もちろん乗換案内アプリなどを使うことで、これまでよりは遙かに便利になったことは事実です。しかしアプリを使うとすべての人間が同じ行動をとってしまうため、やはり大きな混乱につながる可能性が高まります。となると、もう少し全体最適の観点で何かができないかを考えるべきと思ってしまいます。
もしこういった状況を改善しようとするならば、複数の乗換案内アプリを情報統合し、上手に顧客を誘導する仕組みを作るべきでしょう。まずは事故が発生した鉄道に乗車する、あるいは利用する可能性がある乗客を特定すべきです。特に混雑する通勤/通学時間帯に切符を使う客は少ないでしょうから、現在乗車している客と見込み客を特定することは可能です。改札を通って下車していない客は搭乗中でしょうし、毎日利用している人間が改札を通っていないとすると今後駅に向かう可能性が高いことは分かります。
これから駅に向かう人間には、位置情報を元に最適な回避方法を提供します。全員が集中しないようアプリケーションが人数を統制し、平準化するように他の鉄道会社に誘導したり、バスによって先の位置まで移動してもらうように誘導します。これによって一駅に集中することを防ぎ、さらなる混乱を回避します。同時にタクシーも通常の規制を外し、近隣の空車を停止している鉄道付近に集中的に配車します。場合によってこういう事故時のみは乗り合いをみとめ、少しでも多くの乗客を田野エリアに分散させます。
乗車している客については、急ぐ・急がないを明確にさせ、待機、別の路線やバス・タクシーに誘導します。個人の意思で移動すると一つの方法に集中してしまうため、先ほど同様行き先毎に一定の人数毎に方法を分けて誘導をします。近隣の他路線駅にバスで向かわせる人間、乗り合いで降車駅付近にタクシーで移動する人間、徒歩で近隣の他路線駅に向かわせる人間などを自動的に振り分けるべきでしょう。その上で近隣のバス会社にも協力を求め、空いたバスを代替手段として稼働させるべきでしょう。もちろん鉄道会社の運営するデパートやスーパー、コーヒーショップを利用して待機してもらえる客にはクーポンを発行し、案内時間まで時間を潰してもらうことも可能と思います。
こういう仕組みをいったん作ってしまえば、どの鉄道会社でも利用可能です。となると開発費や運用費は鉄道会社に負担してもらい、サービスは各アプリが行えばこういった問題を解決することは可能と思います。
大事なことは現状を少しでもよくするアイディアであり、それを一歩ずつ進めれば問題が少しずつ解決します。こういった行動に移れるエンジニアの出現を望みたいと思いますし、これを本気で手がけようとする企業や、有事の際の積極的な規制緩和を行う若手の官僚が日本に生まれることが、日本の状況を変えるヒントとなると私は考えています。