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Weekly report

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 December First week

 いよいよ12月に入りました。今年も残すところ、あと一ヶ月です。これから二週間ほどは忙しい日々ですが、並行して大掃除等を行い、少しでも落ち着いて新年を迎えたいものです。

 さて先週、サッカーワールドカップのグループステージが終了しました。初戦のドイツ戦で日本はまさかの逆転勝ちをしたものの、第二戦のコスタリカ戦を落とし決勝ステージへの進出は不可能と思われていました。しかしながら大方の予想を覆し、優勝候補の一角であるスペイン戦を制しグループ1位での決勝ステージ進出を確保しました。出場した選手やコーチ陣に最大の賛辞をお贈りしたいと思いますし、暗い話題の続く日本にこういった嬉しい話題を提供してくれたことを心から感謝したいと思います。

 Jリーグの発足が1993年と今から約30年前ですし、翌年のワールドカップでドーハの悲劇が起きています。そう考えるとこの30年のサッカー選手の進化はすばらしいものと思います。それまでの日本サッカーリーグの時代、基本的に選手は企業に所属するアマチュアでした。その後Jリーグの発足によって選手のプロ化が進み、職業としてサッカー選手を目ざす若者が増えたように思います。また世界から盛りの超えた選手を招聘していた時代から、世界のトップリーグにチャレンジする選手が増え、そこで優秀な成績を残す選手も数多く登場するようになりました。世界のトップリーグで磨いた技術が日本選手全体の実力を底上げし、とうとうここまで強くなってきたのは本当に喜ばしいことと思います。今回のワールドカップによって多くの子供たちや若者がさらにチャレンジをするでしょうし、日本サッカー界はますます実力を高めやがては世界の強豪国になれると信じています。

 しかしこのような取り組みを、日本のビジネス界が行えていない現状は,やはり大きな問題に思います。かつて日本企業は、企業留学として若手社員を世界中のMBAスクールに派遣しました。そこで世界中のトップクラスのビジネスパーソンと切磋琢磨し、その技術を日本に持ち込みさらに醸成しました。それが日本企業の強みになったことは間違いありません。もちろん私費留学で世界の大学に留学する学生も多く、現地で起業したり就職する学生も多かったですし、 日本で就職しその実力を発揮した学生も多かったように思います。

 現在でも多くの若者が世界を目指しますが、その実力を生かせているかは極めて疑問です。せっかく海外の様々な知識や経験を積んでいるにもかかわらずそれを企業が生かそうとしなければ、結局は意味がなくなります。これまでのやり方が正しく、彼らの考えは斬新すぎる、あるいは日本の文化に合っていないと利用しなければ、結局宝の持ち腐れになるだけでなく彼らのモチベーションも下げてしまいます。サッカーや野球同様、世界の第一線で活躍した選手のノウハウや知識を習得し、それを日本にあった形に展開していく。その中で取捨選択を行い、最適なやり方を模索していく。その中で日本にあった方法を見つけ、さらに進化させていく。そういった取り組みが、日本企業には求められています。

 今日本企業が考えなければならないのは、過去との決別です。団塊の世代の経営者が保身に走った結果、失われた30年が生まれてしまいました。この先の30年を取り戻すためには、若い経営者が新しい力を信じ、世界の実力を活用した新しい取り組みを始めるしかないことを我々が気づかなければなりません。