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Weekly report

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 April First week

 いよいよ2023年度が始まりました。

 新型コロナウイルスの脅威も一段落し、来月からは感染法上の取り扱いが5類相当に引き下げられるなど、生活も大きく変わろうとしています。マスクのない日々が始まろうとしていますし、対面のコミュニケーションも増える可能性が高まります。画面越しではない、五感を駆使した活動ができる日々が訪れようとしています。失われた3年を経て、また再び人間らしい生活を送れる日々が取り戻せそうな予感です。

 桜のシーズンで観光地も久々の賑わいを示しています。企業もリモート入社式などからリアルの世界に戻りつつありますし、学生時代をマスクで過ごした若者もマススを外して社会に出て活躍することを要求されるようになってきました。 とはいえ脅威はなくなったわけではなく、再び悪い状態が起きないとは限りません。最低限の備えをしつつ、これからの新しい生活に慣れていかなければならいようです。

 とはいえ、新型コロナウイルスの脅威が去ったからといっても、ビジネスをもとの姿に戻すことは危険と思います。リモート環境では業績や成果が測りにくいから元に戻すといっても、従来型の集合ビジネスが効率や生産性を保証できるわけでもありません。仕事毎にもっとも生産性が上がる方法を考え、できないことを避けるのではなくできる方法を探し、積極的に無駄時間を減らせるリモート環境を導入しない限り、日本は世界の負け組になるでしょう。

 仕事には基本的に、二つの種類があります。一つは処理性の高い仕事です。過去から続く仕事であり、基本的には複数の繰り返し作業の連続で形成されています。モダンタイムズのように単純な繰返し性ではないため気づきにくいですが、マニュアル化ができたり人に教えたりできるのは基本的にこの種の仕事です。もう一つが創造性の高い仕事です。一度限りや新しいテーマに対する仕事であり、明確な答えや結果がない中で、少しずつ作業を作り上げていく仕事になります。

 前者はリモートでも全く問題がなく、むしろ集中して取り組める環境の方が作業効率が上がります。もちろん熟練者のノウハウや工夫は大事ですが、その場で見て学ばなくても画像をとったりポイントを明文化するなどの方法で、1人で仕事を完遂することは可能です。それに対して後者は、さまざまなアイディアが必要となる仕事です。自分だけでは煮詰まったり、観点の切り替えができず旨く作業を進めることが難しい局面が都度都度生まれます。こういう仕事では相互の意見交換やアイディア、工夫などが大きな決め手となるため、密で精度の高いコミュニケーションが必要ですし、緩急を付ける意味でも雑談などのある休憩が重要となります。

 後者のような仕事は、やはり同じ場所でコミュニケーションをしたり、他人のやり方を見ながら新たなアイディアを浮かべる必要があるため、現在のテクノロジー環境では集合の方が望ましいように思います。しかしやがてメタバースやデジタルツインの世界が生まれるのであれば、これもサイバー環境で実施することの方が望ましいように私には思えます。

 となると、やはり単純に通勤をようとし一カ所に集めて行う仕事は、基本的に考え直すべきと考えますし、それはコロナのみならず仕事の生産性という観点で日本のビジネスが検討しなければならない課題のように、私には思えてしまいます。