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Weekly report

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 April Second week

 AIの進化が続きます。

 RPAや自動運転、対話型スピーカーなどさまざまな分野で活用されているAIですが、いよいよ我々自身が扱える時代が始まっています。昨年11月に更改されたChatGPTですが、瞬く間に全世界で利用されるようになりました。誰でも簡単に使える対話型インターフェースを持ったAIですが、人間が作成する文章に近い回答を行うため非常に便利です。質問の言語と内容を理解し、瞬時にその言語で回答するのはAIならではですし、いままでのような機械的な文章ではなく自然な文章で回答を返してきます。結構専門的な会話にも対応しますし、その処理能力は高いといわざるを得ません。

 さらにもともと英語圏で開発されたAIであるにもかかわらず、さまざまな言語に瞬時に翻訳し、その内容が自然なところも非常に面白いと思います。今までの翻訳エンジンより遙かに精度の高い文章を作成しますし、技術的にも的確な翻訳を行うようです。外国でスピーチするための原稿を自国語で作り、ChatGPTで翻訳してもらうという使い方もできますし、文章内容の精査も部分的に可能になっています。

 ChatGPTの面白さは、その創作能力です。「新撰組をテーマとしたコメディを書いて」と入力すると、かなり詳細なプロットを提供してくれます。ストーリーのみならずキャラクター設定やシチュエーションなど、瞬時に作り上げたとは思えない精度の内容を提示してくれます。著述家がネタ作りに困ったりパターンにはまったときに、ヒントとして十分使えそうな気がしますし、漫画家などのアイディアにも使えそうです。

 またChatGPTは、技術的な質問に対しても正確な回答を返してくるようです。私もシステム監査、ダイビング、時計技術、プロジェクトマネジメントなど私の専門分野に関わるさまざまな質問をランダムに投げかけてみましたが、どれも的確に回答しているように感じます。瞬時にその言葉を検索し回答しているのかしくみはわかりませんが、専門的な知識量は相当でありその組み合わせや説明も的確に感じました。

 反面人物などの質問は、相当に適当な回答を返してきます。かなり有名な人名を入れてもかなりトンチンカンな回答を返してくるので、調子が狂います。特に日本人については弱く、かなりの確率で適当な経歴をでっち上げてきますのである意味非常に面白いです。誰かの経歴を誤って表示するのではなく、さまざまな人物の経歴を混ぜますのでそれっぽく見えてしまうのが難点かもしれません。

 このようにChatGPTを使ってみると、Wikipediaとの併用で相当なことができる予感が生まれます。ChatGPTに専門的な質問を投げ、不安な部分をWikipediaなどで確認をとれば、かなり専門的な論文を作成することも不可能ではありません。同時にChatGPTは質問内容を記憶しますので、利用者が増えるほどその精度が上がり現在の人名の問題もそれほど時間をかけずに改善してくる可能性も高まりますし、表現する様々な回答の精度が上がっていくことも十分に考えられます。

 学校教育でChatGPTの利用をどうしていくかが論議され始めましたが、その速度より遙かに早くChatGPTは成長し利用者の習熟度も上がります。頭の固い老人がのんびりした論議で規制を考えていても、もはやそれ自身が人間の営みと言われるぐらいAIの進化速度とまったく対応出来ない時代が始まったように私は感じます。