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日本を殺すのは、誰よ!  (4/21/2019)

 新井紀子 ぐっちーさん  東邦出版  \1,500

 例の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」を執筆された新井紀子氏と、経済評論家の山口正洋(ぐっちーさん)が掛け合いで書かれた本ですが、内容的に非常に面白かったのでご紹介です。

 新井氏のほうは上記の書籍を読んでいただければどのような方かはおわかりと思いますが、日本の現状の教科書が読めないことが思考停止を生んでいることを鋭く指摘し、その解決のために取り組まれている具体的事例が列挙されています。上記の書籍の批判で一番多いのは「解決策が提示されていない」という点であり、リメディアル教育学会でも同じ点を指摘されたことを述べていますが、私も非常に同感させられました。つまり問題提起した人間には解決策が要求され、解決策がない問題提起には共感しない人間が多いという点です。問題が明確になったからこそ多くの英知が時間を割いて解決策を検討すべきなのに、実はそれを行える大人も学者も少ない、という点はまさに日本の現状を示していると思います。日本の老若男女ともこの傾向にあるのは事実でしょうし、だからこそ正論モンスターのような人種が若者から年寄りにまで生まれていると思います。

 新井氏、山口氏ともその点を鋭く指摘し、自らが実践されている様々な取り組みを紹介することで、この先我々が行うべき行動を示してくれていますし、これからの日本のために若者から年寄りまでがどのような取り組みをすべきかを明確に提言してくれています。

 ということで、これからの日本と自らが考えるべきテーマを得たい方は、是非ともご一読を!

 

考える力とは、問題をシンプルにすることである。  (4/21/2019)

 苅野進  ワニブックス  \1,512

 最近読んだ問題解決の本の中では、比較的納得のいく内容だったのでご紹介です。

 この著者の苅野氏ですが、数種の問題発見解決の本を書かれています。どの本も比較的解りやすいのですが、どちらかというと問題解決の手順について書かれていました。ところが今回は、問題解決の考え方の基本と、問題解決の過程で陥りやすいポイント、さらには問題解決の価値がきちんと書かれています。問題解決をすると何が良いのかという基本的命題がきちんと説明されている本は少ないため、こういう本は貴重です。

 ただし後半はこの手の本にありがちなツール紹介と問題解決テクニックになりますので、問題解決の本を読んだことがある方にとって参考になるのは前半だけかもしれません。それでも最後の練習問題は答えのない中の考える手順が明らかになっていますので、実力を試すいい機会にはなります。

 ということで、問題解決をシンプルに知りたい方に。