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■プロ論。 (2/19/2005)
B−ing編集部 徳間書店 \1,600
■働くということ (2/19/2005) 
日本経済新聞社編 日本経済新聞社 \1,500
「プロ論。」は、このところベストセラーに上がっているのですが、私にとってはそれほど面白い本ではありませんでした。たしかにメディアに露出することの多い方が掲載されていますが、本当にそれぞれの方がプロか否かは、私には解りません。またそれぞれの方の主張が記述されているだけで、テーマそのものはバラバラです。したがってどうもバタバタしたイメージの書籍となっており、私自身はそれほど楽しめなかったような気がします。
ただ明らかに「違うな」という部分以上に同感出来る部分があったため、その意味では多少読む価値はあるかも知れません。特にもっともらしい経営者や学者よりも、藤子不二雄氏や石橋貴明氏、糸井重里氏等のほうがずっと気が利いて面白かったのは事実です。
その点、もう一冊の「働くということ」は、日本経済新聞社の取材による等身大の内容であり、私にとっては共感出来るテーマが多かったと思います。結果としての主張ではなく、意思としての行動が記述されており、さらにそれらは市井(しせい)の人である若年者から中高年、老齢者までにわたって取材されている点が素晴らしいと思いました。働く、という人としての基本行動を、さまざまな経験として紹介してある点は面白く、かつ考えされられるヒントが多かったように思います。プロであるからこそ崩れがちな、何かを思い出させてくれる内容です。熱い気持ちやさまざまな障害を乗り越える気概、それでも避けられない不運などは、誰もが所有し体験するもの。それらに対し、皆がどのように取り組んでいるのか、人が働くとはどういった意味があるのかを考えさせてくれる良い本でしょう。
どちらが参考になるか、私にはわかりませんが、それでも何かを得たい方に。
■おもしろカンタンに会計が学べる本。 (2/19/2005) 


金児昭 ビジネス社 \1,300
またまた会計の本ですが、金児氏の本の中では比較的面白かった本です。私の個人的趣味としては、「3びきのこぶたと学ぶやさしい会計」のほうがずっとお勧めなのですが、やはり頭が固い方(いわゆる常識が強い方)にとっては、あの本は不真面目
or 稚拙に見えてしまうようです。
その意味でこの本は、きわめて現実的なビジネスをベースに会計知識を説明しており、一般的ビジネスをご存じの方には取っつきやすい本かも知れません。実際の企業ビジネスをモデルに、資本金から日々の取引、決算から簡単な経営分析までを紹介しており、それぞれ非常に読みやすい内容になっています。簿記が解らなくても十分理解出来るレベルであり、図表の説明も比較的親切です。これを一通り読めば会計のプロになれる、なんてことはあり得ませんが、会計のイロハは解ると思われます。このレベルを知っているだけでも日々のお仕事が楽に、かつ経済新聞の見出しにも反応出来ると思いますし、もうちょっと頑張ればライブドア
vs
フジサンケイグループの戦いもイメージ出来るようになるかも知れません。もちろん新人の方にとっても、ある程度読みごたえのある本ですから、その意味でもお勧めです。
会計の初歩を、まじめな観点で理解されたい方向け。