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■美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?
林總 ダイヤモンド社 \1,500
本屋でいまだに平積みになっている、餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?の続編です。
主人公はもちろん舞台となる企業も同じため、前作を読んだ方には面白いかも知れません。この本は最近はやりの、小説形式で会計知識を習得することを目的とした書籍の一つです。前作のほうはマンガにもなっているようですので、そちらでご存じの方もいるのかもしれません。
前作は会計の基本とビジネスとの関係を示していますが、今回は管理会計と情報システム、ならびにビジネスの関係を説明してくれる書籍となっています。内容に特に出色の出来な部分があるわけではありませんが、基本的事項を丁寧に説明してくれますし、小説形式のため実際のシチュエーションに当てはめて理解しやすくなるのかも知れません。ま、つまらない小説を読むよりも、幾分か有効に時間が使えることは確実です。
読み物に困った時に。
■デジタル匠の誕生 (4/20/2008)
岸宣仁 小学館 \1,600
最近よく読むモノ作りに関連した書籍ですが、比較的硬派な内容でしたのでご紹介です。
日本の産業を支えてきて、さらに世界に誇るべき作業であるのが日本の製造業です。私自身もこの産業のおかげでたくさんのことを学ばせていただきましたし、その強みをITの世界に展開することが大切と考えている一人です。この本ではそういった製造業の現場においてどのようなIT化が起きているのか、ということと同時に、現在の製造業の抱える問題点を世界的観点で説明してくれます。さらに今後の世界を俯瞰して、日本の製造業はどうあるべきかという提言もなされている点が、これまでの一般的紹介本との違いになっています。
私が面白かったのは、日本の製造業で起きている技術流出と、海外企業を中心とした情報漏洩の対象に日本がなっていること、およびその対策について法律・企業ともまだまだ不十分である点でした。海外に製造業が流出していることは知っていましたが、その裏に海外企業の手厳しい戦略があること、さらに一歩踏みこめば犯罪すれすれの世界で技術が奪われていることは、実態を知ると脅威に感じました。さらにIT業界が今後どのように変わっていくかの変化もつかめたような気がします。
現在の製造業のIT化の実態と、その日向と陰を知りたい方に。