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■受託開発の極意 (4/20/2008) 
岡島幸雄 技術評論社 \1,480
タイトルにつられて購入しましたが、ひさびさにであった珍書でしたのでご紹介です。
タイトルでは「受託開発の極意」とありますが、私にはごく普通の開発手順を説明した書籍に思えました。ややヒューマンスキルに頼る部分はありますが、それでも通常の開発工程においてどのような作業が行われるか、そこではどのような注意や配慮が払われるべきか、ごく一般的視点で説明されています。説明レベルは比較的浅いので、実務担当者向けと言うよりも新人さんやルーキークラスの方が読むと面白いと思います。
しかしなにより面白かったのは、そのタイトルにある受託開発、すなわち上記の視点で記述されているのが190ページ中の130ページ弱であり、残りが「人と組織を変えること」で、いわゆるモチベーション論になっている点です。システム担当者としてはよいのでしょうが、「受託開発」とは何の関係もないような・・・・・
ということで、私には理解不能な部分の残る珍書でした。ですので、こういった意外な展開が面白がれる方に。
■とことん考える癖をつけなさい (4/20/2008)
寺垣武 角川マガジンズ \1,500
最近この手の本をよく読みますが、比較的面白かったのでご紹介です。
筆者の寺垣氏ですが、大正生まれのおじいちゃんです。しかしその経歴の華々しさとともに、その道のりを知ると驚きます。もともとは軍国少年だったようですが、生まれ持った観察力と発想力で、さまざまな分野で新しい製品や技術を開発されています。ちょっと見間違うと街の発明オヤジ風ですが、実は私も知っているいくつかの製品を開発されている立派な技術者で、物理学者です。
その方のものの考え方を説明した本であり、説教臭くなく本当に面白い本でした。ご本人も説教を垂れる人間が大嫌い、とのことですので、その意味では本当に説教臭くないのでしょう。しかし発想の基本には観察がある、それを実証することの大切さ、言葉は出てきませんが仮説検証ということがどれだけ大切かを教えてくれます。その上物理学者ですからその論理的観点は、言うまでもありません。
ということで、物事の論理的な考え方と発想の重要性、ならびにその原点である観察について知りたい方に。