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■SEのためのうつ回避マニュアル (6/1/2008)
株式会社ピースマインド 翔泳社 \1,680
この手の本は極力目を通すようにしているのですが、比較的面白かったのでご紹介です。
タイトル通り社会現象である「うつ」に関する書籍ですが、SEということでIT業界を対象に書かれた本であり、比較的珍しいと思います。IT業界特有のプロジェクト環境において、どのような点に注意した行動をすべきかをあきらかにしてくれますし、さまざまなストレスが心身にどのような影響を与えるかを論理的かつ簡潔に説明しています。
私が面白いと思ったのは、単なるうつの診断や症状を説明するものではなく、ストレスのコントロールの仕方、それからまわりに「うつ」の人が出た場合の対処等が具体的に書かれている点でした。この手の本は症状の説明と診断方法が多いのですが、本人以外のケースについてきちんと説明されているのは役立つと思いました。
ストレスの高いプロジェクトに巻き込まれている方々に。
■伝統の逆襲 (6/1/2008)
奥村清行 祥伝社 \1,680
前作「フェラーリと鉄瓶」も素晴らしいと思いましたが、今回のこの本は文句なくご推薦です。
内容的には前作同様世界のモノ作りから見た、日本のモノ作り論になっています。基本的構成は善作と同様ですが、その主張や内容の詳細度がまったく違い、こちらのほうがずっと主張が明確かつ論理的になっています。逆に個々の事例はこちらのほうがあっさりしていますから、より奥山氏の考えが明確になっていて、非常に面白く考えさせられます。
日本のモノ作りが世界に誇れるのは、「切り捨ての文化」という主張も面白かったですし、それをなんとかソフトウェアの世界で実現できないものかと考え込んでしまいました。さらに想像力と自己犠牲という主張も非常に共感できますし、その誇るべき想像力が現在の若者から失われていることに、私自身危惧感も持ちました。また世界と戦うために、我々がコミュニケーション能力を高める必要があるという主張も、本当に同意できますし、コミュニケーション力が低い私としても耳の痛い話でした。
ということでこの本の良さを少ししか伝えられない自分がもどかしいのですが、ご興味がある方はぜひこの本をお読み下さい。絶対に後悔しないことだけは、保証します。
万人に、お勧め!