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■シンプリシティの法則 (6/1/2008)
ジョン・マエダ 東洋経済新報社 \1,500
ちょっと難しいところもありますが、私の最近の考えの補助となった面白い本なのでご紹介です。
著者はコンピュータサイエンティストでグラフィックデザイナーの方ですが、複雑化した社会のさまざまな事象をシンプルにする考え方を教えてくれます。シンプリシティの法則を10に定め、それぞれを理解しやすい平易な内容で説明してあるため、あっというまに読むことができます。一つ一つの視点が非常に興味深く、示唆に富んだものであり、その実例も非常にわかりやすいと思いました。
またこの本の主張するシンプリシティという考え方は、社会やビジネス、製品、テクノロジー、そして人間関係にまで適用できるものであり、何かの悩みを持ったときの解決のヒントとも成り得ます。私自身は複雑化してにおえなくなってきている現代IT社会や情報システムを改善する、一つのヒントを得ることができました。さすがにトム・ピーターズが絶賛するだけのことはあります。
複雑化した状況を、シンプルにしたい方に。
■上司は部下より先にパンツを脱げ (6/1/2008)
小倉広 徳間書店 \1,400
リクルート出身の方の本ですので、全編体育会ノリの本かと思いましたが、意外と拾いものだったのでご紹介です。
タイトルはどうかと思いますが、内容はビジネスのヒントや人材育成のヒントを満載した本です。著者はリクルートから複数のITベンチャーを経由した後コンサルティング会社を経営されていますが、その視点のユニークさと実践から学んださまざまなノウハウが、非常にわかりやすく説明されています。内容の着眼点もよく論理的であり、タイトルとは裏腹にきちんとした主張がなされています。また引用されている各種のキーワードも面白く、含蓄の深い書籍といえます。コンサルティングに関する考え方も比較的明確ですし、コンサルタントを目指す若い方の参考にはなると思われます。私自身忘れていた心掛けや考え方も再認識できましたし、その意味でも面白かったといえます。
ただし一部の引用が古かったり、やや解釈に誤りがあったりと点もありますので、そのまま信じるのはどうかとは思います。また体育会のりの記述もありますし、蘊蓄めいた話しも多いので、やや鼻につくところも散見されるのですが。
ビジネスのヒントと、コンサルタントとしての基本を知りたい方に。