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■新宿駅最後の小さなお店ベルク (7/12/2008)
井野朋也 ブルース・インターアクションズ \1,600
モノ作りにつうづる「想い」とか「こだわり」について考えさせられた、ちょっと拾いものの本だったのでご紹介です。
著者は新宿駅ビルの地下に構える「ベルク」という店の店主であり、その経営について述べた本です。ベルクはサブナード方面に抜ける地下に構える小さなお店であり、私もその存在を知っていました。しかしいわゆる怪しめの立ち飲み喫茶店、いわゆる個人経営のファーストフード店と思っていたため、今まで利用したことがありませんでした。しかしこの店はそういう性質の店ではなかったようです。
この本の内容は、経営者である井野氏がもつ飲食店経営に関する「想い」や「こだわり」に溢れており、ここまできちんとポリシーを持って企業経営をしている経営者がどれだけいるのだろうか、と考えさせられます。この方の「こだわり」は、きちんとした商品をお客様に提供することであり、安価な商品だからと行って決して手を抜いていない点が本当に素晴らしいと思いました。自分が食べたくないものは、お客様に提供しないという考えは本当に素晴らしいと思いますし、そのため体に良くおいしい商品を取りそろえようとする姿勢、そのために費やす労力の尊さを教えてくれます。逆にその結果としてまた従業員に対する姿勢やポリシーも素晴らしく、人を人とも思わない経営者や、ルールさえあれば上手くいくと思っている経営者にホント読ませたい内容です。
私はこの本を読んだ後、さっそくベルクでおいしいビールを飲みに行きましたが、ホントに多様な年齢、職業の方が利用している居心地の良い店でした。しかしこの店、ビル側から強烈な追い出し勧告を受けているようです。こういった店を守りたいと心から思いますが、訪れたい方は万が一に備えて早めに訪れることをお勧めします。
企業経営にとって、重要なことを学びたい方に。
■跡取り娘の経営学 (7/12/2008)
白河桃子 日経BP社
地味な本ですが、それなりに面白かったのでご紹介です。
タイトル通り、二世・三世経営者に関する紹介本なのですが、その経営者全員が女性というところが面白いところです。女性経営者というと男女平等を叫ばれる今日でもまだまだ珍しいのですが、その経営姿勢はやはり女性ならではものを感じます。女性が女性として力むのではなく、女性の良さを活かした企業経営を行っているしなやかな姿に感心しますし、男性である私も学ぶべき所は幾つもありました。ある意味男性経営者より自社ビジネスに対するこだわりは強く感じますし、総合力よりもきちんとした想いを通そうとする姿勢が多く見られることは、新しい日本企業の姿を示しているのかも知れません。
女性の力強さと、しなやかな経営を学びたい方に。