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■意欲格差 (9/7/2008) 
和田秀樹 中経出版 \1,400
やたらと新聞で広告していたので読んでみましたので、ご報告です。
正直タイトル通りの本なのですが、今ひとつ焦点の合わない本でした。意欲低下に関する問題提起としてはよいと思うのですが、どうもその展開が私には理解しがた予定調和的内容に思えました。具体的には、日本の意欲低下とその原因、その対処について述べているのですが、それぞれの内容が一貫しない印象が残ります。意欲の低さの原因がマスメディアと教育制度にある、という点は、今ひとつ結果論で納得がいくものではありませんし、その対策が心理学的アプローチ(モチベーション理論)では、一向に改善の方向が見えてきません。
私自身、現在の公立高校・中学校・小学校の教育メカニズムには矛盾を感じますし、メディアの無責任さはそのとおりと思います。しかし大切なことは大人の姿勢なのですし、格差を本当に大人が問題と思い、その格差をなくすために家庭的に、社会的に、あるいは企業的に何をすべきなのか、それを支援するために国がどうあるべきか、もう少し大局的な考えをもつことが、私は大切と思います。
問題提起のキッカケとして、読む価値は.....あるのか?
■ボクらの街のボクらのお金 (9/1/2008)
あべよしひろ さんが出版 \838
経済の勉強の一環で読みましたが、わかりやすく面白かったのでご紹介です。
このところの様々な商品が値上がりしていますが、その原因が諸資源の高騰です。その原因は様々な物であり複合的なのですが、間違いなく言えることの一つが投機の問題。すなわち働きを伴わない、循環しないお金が引き起こしている本質的な問題なのです。ではお金とは本来どういう性質のものか、という素直な疑問を解消してくれるのがこの本です。
タイトルか予想がつくとおり、中学生ぐらいであれば十分理解できる内容ですが、その意味と奥行きの深いこと。頭の悪い私は、一回読んだだけではその意味しているものが理解できず、真剣に考え込んじゃいました。二回目にやっとその本質がわかり、エンデ同様投機のお金の本質的問題をしることができました。逆にその働きを伴わないお金を正しい姿にするために、どのような取り組みがあるかも理解できましたし、現在流通しているリンデンドルの本質を考えるキッカケともなりました。
ということで、お金の本質と経済の基本が知りたい方に。