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■ユビキタスコンピューティングと応用 (11/16/2008)
瀧寛和、堀聡 オーム社 \2,200
学会の論文と見まごうばかりに質実剛健で面白味に欠ける本なのですが、テーマそのものは面白かったのでご紹介です。
タイトル通りマーク・ワイザーの提唱したユビキタスコンピューティングを、現在のテクノロジーの視点で紹介した書籍です。内容も非常に地味であり、これを出版したオーム社の面目躍如といった本です。しかしその紹介の視点と技術的観点は比較的面白く、これからの世の中でユビキタスを実現するためにどのようなテクノロジーがどのような形で利用されていくかがわかりやすく説明されています。ついついビジネスとアプリケーションの観点で技術を見てしまう私にとっては、ちょっと違った観点の面白い本でした。ただし紹介されているRFIDやフィールサーバネットワークとも現在のテクノロジーであり、数年後には基本的考え方以外はすべて陳腐になってしまっているだろうな、と感じました。時代を写し取った写真のような本であり、テクノロジーの進化を照明する道標のような使い方が出来るかも知れません。
ということで、情報技術の明日とその明日における古文書を読んでみたい方に。
■思考のボトルネックを解除しよう (11/16/2008)
石川和幸 ディスカヴァー \1,500
最近書店で時たま見かけ、かつベストセラーに入っていたので読んでみましたのでご紹介です。
内容は最近はやりのビジネス思考の本です。やや理屈っぽい部分が気になりますが、全体としてよくまとまっていますし、要点を押さえた良い本と思います。著者はコンサルティング会社を複数渡り歩いているようですが、その基本的思考をきちんと説明した良い本かも知れません。説明されている内容は一つ一つ納得がいきますし、基本的な考え方や手順は網羅されているように思います。ただし私には、ちょっとこの方独自の考え方が気になり、読みにくい部分も残ったのは事実です。
とはいえビジネス思考の本の中では比較的具体的かつ納得のいく書き方をしているため、特に読んで損になることも変な癖がつくこともないと思われます。実力のある方は、他の思考法の本と内容を比べながら読むと面白いかも知れません。
ということで、思考法のトレーニングや方法を知りたい方に。