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ロシア・ショック  (11/16/2008) 

 大前研一  講談社  \1,500

 巷でもすっかり知られたBRIC’sという言葉ですが、意外と知られていないロシアのビジネス的な実態をさまざまな角度から紹介している一冊なのでご紹介です。

 これまでもさまざまな本でロシアの実態を知ってきましたが、ここまでの完成度で紹介されている本は少ないと思われます。著者は皆様ご存じの、大前研一大先生であり、確かにその慧眼と考察力は他に類を見ない内容になっています。ゴルバチョフに寄ってもたらされた民主化路線の失敗とプーチンによる劇的な経済の立て直し、そしてそれを可能にした様々な政策、ならびに現在のロシアの経済状況や日本にとってのチャンスとリスクをきちんと説明されています。私が講座で度々申し上げてきたとおり、二大大国の片翼を担ってきた国家の奥深さを改めて確認できますし、その人材の優秀さと数の多さは日本にとってチャンス/リスクをもたらすことを知ることが出来ます。この本を読むと、その潜在的脅威は中国やインドなど取るに足らない国とも思えるぐらいでした。

 ということで、ロシアの現状を正しく理解したい片に。

 

ザ・チョイス   (11/16/2008) 

 エリヤフ・ゴールドラット  ダイヤモンド社  \1,600

 いやぁ、本当に面白かった。しかし同時にひたすら考えさせられる一冊ですのでご紹介です。

 「ザ・ゴール」「クリティカル・チェーン」など数々の名著を記された、制約理論のゴールドラット氏の最新作です。先日発売された当日に買って、一晩で読んじゃいました。今回も物語仕立てなのですが、これまでとちょっと趣の変わった内容であり、面白く、かつ頭をひたすら使って読みました。最近こんなに考えながら読んだ本は珍しいかも知れません。

 とはいいつつも今回の内容は、いままでのようなビジネスに直結した制約理論の内容ではありません。制約理論をベースにもっとも効果的なものの考え方を教えてくれる、多くの方に役立つ内容です。我々が常識として持ってしまうさまざまな思考上の障害、「物事は複雑である」「対立は当たり前で仕方がない」「人は他人を責める習慣がある」というものに気づかせ、それを打破することがどのような価値があるかをさまざまな角度から教えてくれます。

 さらに拾いものなのは、その考えを適用したコンサルティング事例が数多く提示されていること。まさにケーススタディが提示されており、その内容や手順、考察方法などコンサルタントを目指す、あるいは研鑽中の若者に本当によい教科書を提示してくれます。これを理解できないようであれば、もともとコンサルタントは無理でしょうし、これを実践できれば無敵になることも十分お分かりいただけると思います。

 ということで久々に、すべての方にお勧めです!

 

 ということで、思考法のトレーニングや方法を知りたい方。