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■標準テキスト オフショアプロジェクトマネジメント【SE編】
(4/12/2009)
幸地司、霜田寛之 技術評論社 \2,980
この分野の本が出現することは必然だったのですが、これほどよい内容で出版されるとは思いもしませんでしたので、驚きを含めてご紹介です。
タイトル通りこの本は、日本のIT産業が依存しているオフショア開発に関するプロジェクトマネジメントのあり方や考え方を説明している書籍です。現実の状況として、大手のSIerを始めオフショアにまったく係わらず大型の開発案件をこなしている企業は、もはや日本にはあり得ない状況でありますが、反面そのオフショアについてプロジェクトマネジメントのあり方は手探りになっているのが実態です。その中でこの本は、そういったオフショアがからむプロジェクトにおけるマネジメントのあり方をきちんと説明しています。
内容的にはホントにきめ細かで、実践的です。私がプロジェクトマネジメント講座でつどつど申し上げている文化背景や人間の思考方法、コミュニケーションのあり方を含めて、本当に実践的かつ事細かに説明がなされています。日本語をベースとした仕様書における問題点などは本当に実践をベースとしたものですし、私には到底不可能な詳細なレベルで、きちんとした問題指摘と対応が示されています。指南書としての活用はもちろんのこと、実際の設計工程における手引きとしても利用できることは間違いありません。これほど素晴らしく実践的な書籍であれば、この値段は相当にお買い得と思われます。
ということで、オフショア開発に係わるプロジェクトマネージャのみならず、オフショアや外国人相手のITビジネスに係わっているあらゆる方は、必読!
■ユダヤ人に学ぶ速学術 (3/15/2009)
濱野成秋 グラフ社 \1,300
勉強法の本にしては偏りがありますが、それでも比較的面白かったのでご紹介です。
タイトルではユダヤ人の勉強法を紹介しているように思えますが、その引用はすくなくこの筆者の勉強法を「ユダヤ人式」と名付けているだけな気がします。ユダヤ人が行っているというよりも、米国経済を握っているユダヤ人がどうして知的レベルが高いのかを考え、その勉強法を模した勉強をしようというのがこの本の主張です。
私自身も実践している「スキマ時間学習法」などが紹介されており、極読みやすい本でした。ネットワーク偏重への警鐘や知識を関連づけて覚える、実践で体得した知識の重要性など、ごくごく普通の内容が書いてありますが、初心者にとっては整理されており要点をつかみやすい本だと思います。
ただし全体的にこの方は思いこみが強く、自分の学習方法以外は認めないといった口調が多いですし、説教口調が気になります。また人のいうところの「勝者の論理」が多く、この方が優秀だから継続出来た方法を、出来ない奴はダメだ的に断定することろはちょっと問題有りとは思います。
ということで、勉強方法のいいとこ取りをしたい方に。