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焼肉屋は食べ放題なのになぜ儲かるのか   (4/19/2009) 

 五十嵐 明彦  インデックス・コミュニケーションズ  \1,470

 内容と言うよりも、この本の方針(?)が面白かったのでご紹介です。

 内容的には通常の会計に関する本であり、その手の本としては当たり前のことが書いてある書籍でした。初心者向けに会計の基本を述べたものであり、その意味では普通の書籍です。ではなぜご紹介するかといえば、この本のサブタイトルに理由があります。この本のサブタイトルは「小倉優子と学ぶ会計学」であり、説明の舞台が実際の焼肉屋である「焼肉小倉優子」が舞台となっているのです。とはいいつつも、実際はメニューが出てくるぐらいで焼肉屋を検証しているワケではありませんし、実際の「焼肉屋小倉優子」もタレントがイメージキャラクターを行っているだけで、経営には係わっていないようです。

 となると、どうしてこの本は「小倉優子と学ぶ会計学」とタイトルをつけたのでしょうか?その点が私には興味深く思えました。この本の著者ならびに出版社としては、この本を売らなければなりません。類書が多いため、この本が売れるために「小倉優子」という名前は魅力的でしょう。逆に焼肉小倉優子社としては、店舗の広告を安く行いたい。タレント事務所とは焼肉小倉優子に関する契約を結んでいるので、報酬は変わらないかあるいは売上に連動するロイヤリティのようなもが払われているはずです。となると、この本に名前を載せてもコストは発生しませんし、雑誌のように出稿料も不要になります。となると、誰もがコストを負担せずに利益を上げる仕組みとして、こんな方法が考えられたと思われるのです。

 このようなビジネスモデルが、今後増えていく可能性があります。となると、どのような業種や書籍のタイトルとの組み合わせが今後出現するか、予測してみるのも面白いかも知れません。

 こうした新しいビジネスモデルを考えてみたい方に。

 

決弾 最適解を見つける思考の技術   (4/19/2009) 

 小飼弾/山路 達也  アスペクト  \1,429

 小飼弾氏の本は好きなのですが、この本はあまりといえばあまりだったので悪い意味でご紹介です。

 この本の表紙には、「最適解を見つける思考の技術」とありました。前作の「小飼弾の「仕組み」進化論」は非常に面白かったため、この本も期待して購入しました。最初の10ページほどはそれなりの内容だったのですが、その後を開いてビックリ!なんと、人生相談でした。全然「最適解を見つける思考の技術」じゃないでやんの。

 それも答えるべき質問があまりにしょうもない!「ブログを始めたけど、書くことがないのでなにを書いたらよいか?(→やめりゃいいだろ!)」「受験勉強をしなければならないのですが、ついついゲームをやっちゃいます..(→落ちりゃいいだろ!)」「特にやりたいこともスキルもないが、都会にいくべきか?(→くるな!)」といったつっこみ放題の質問の山です。それに答える方も答える方だわ.....最後に笑ったのは、この本の最後に唐突に「勝間和代」さんとの対談が載っている点です。すっかりこの本の意味のなさを痛感した後に対談を読んでも、その内容が空虚に見えること見えること。とっても気の毒な本となりました。

 ということで、近年まれに見る珍書悪書です。立ち読みでも...勧めません。