３月第５週目のWeekly reportです。
先日インドのタタグループの一角であるタタモーターズが、フォードから英国の自動車ブランドであるジャガーとランドローバーを買収しました。買収額は２６００億円だそうです。
ジャガーは１９６０年代のモータースポーツ界で名をはせた企業でしたが、その後の混乱によりブランド価値を徐々に下げ、最終的にフォードに買収されました。フォードは効率化のためフォード社とのプラットフォームの共通化などを図りましたが、このことがさらにジャガーのブランド価値を下げてしまったようです。
一方のタタモーターズは、先頃約３０万円の自動車をインド国内で売り出す、と公表し話題になった企業です。インド国内では商用車で圧倒的なシェアを握り、乗用車も国内第２位のシェアをもつメーカーといえます。しかしその対象は主に国内であり、韓国での買収などはあったものの海外に強いブランドとはいえませんでした。
もともとインドは、英国領でした。したがってこの買収に複雑な思いを抱いている両国民の姿が目に浮かびます。まさに世界に名をはせた日本の大手企業が、中国企業に買収されるのと同じ感覚を、両国民が持っていると思われます。我々の先達がかつて米国企業を追いつけ追い越せと頑張ったと同様に、彼らも英国企業に対し情熱を持って追いかけたのでしょうし、その結果として今回の買収はさまざまな思いが去来したに違いありません。
このように世界は、ＢＲＩＣ’Ｓを中心とした多くの国によって情勢が様変わりしています。その狭間の中で、我々日本人も同様に世界をとらえ、この先の世界での我々のあり方を考えなければならない時代に来ていると思います。タタモーターズの努力に拍手を贈ると同時に、我々も多くの国々の範となり世界をリードでき続けるよう、自らの技術力や思いを磨き続けなければならないと思います。
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今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・復調HP、次の成長探る 業績回復、問われる革新性
・くびき解かれた電気自動車 メーカー・消費者 本気に
・ユニクロ柳井氏 社長復帰３年目の快走
・家の設備 携帯で遠隔操作 積水ハウス、来月発売
・グッドウィルへの提携提案 ＵＴ社長「長期戦」に転換
・携帯充電器、電極不要に
・変調スターバックス 拡大路線に黄信号
・有望市場「外国人」取り込む 携帯大手の攻略法
・落日のジャガー 印タタが救う? フォードから買収
・モトローラ 名門の分割劇
・新ＣＰＵが起爆剤 携帯情報端末の機能、PC並みに
さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。
