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 April Fourth Week

 4月第4週目のWeekly reportです。

 本当は書籍のICタグ導入について書こうと思っていたのですが、それを凌駕する話題があったのでそちらについて書かせていただきます。

 この数年、SuicaやICOCAのような、ICカードを利用したシステムが日本中で活用されるようになっています。JRや有力私鉄だけでも、次のような種類のものが出現し、徐々に相互利用可能になってきています。

Suica(JR東日本)、PASMO(首都圏私鉄)、ICOCA(JR西日本)、PiTiPa(西日本私鉄)、TOICA(JR東海)、Kitaca(JR北海道)、SUGOCA(JR九州)

 鉄道を中心としたICカードの出現は、同時に電子マネーの劇的な普及を意味し、現にSuica+PASMOだけで、100万件/日の利用があるそうです。

 こういったICカードの出現は、生活環境を激変させるとともに、その利便性を高めていきます。しかし高度な普及と利用によって、やがてその不便さにも気づきだします。たとえば上記の鉄道計カードは、ポケットの中に入っているだけでは認識されません。通勤中に資料とカバンで両手がふさがっているときは、利用が難しいのです。また現在のセンサーは右側にあるため、左利きの人や右手が不柔な人にとっては決して使いやすいものではありません。

 ところが先日、この不便さを解消する新しいメディアがNTTから発表されました。これは「人体通信」といわれる身体をアンテナにしたICカードであり、現状のフェリカを中心とした接触型ICカードの不便さを解消するメディアとして期待されています。具体的には厚さ7mmのカードサイズのデバイスであり、これをポケット等の体のどこかに携帯していれば体を経由して信号がやりとりされるものです。これさえあれば、改札機でいちいちカードをかざさなくても、センサ部分に体が触れるだけで改札を通ることが出来ます。もちろんクレジットカードに応用されれば、センサにタッチするだけで商品の購入も可能です。(私自身はペン型センサーと共用し、記録とサインを二重に確保する方法が望ましいと思っていますが...)

 もちろんクレジットカードや乗車券だけでの利用だけではありません。音楽デバイスにこのチップを搭載すると、ワイヤレスの無線システムが完成します。つまりbluetoothや無線を使わなくても、体を利用したケーブルレスシステムが完成します。耳に押し込む形にすれば、現在警備などで目立っているインカムの姿もより発券しにくく出来るかも知れません。さらには身体が不自由なかたでも、障害者手帳と一体化させることでさまざまなサービスを意識せずに受けることも可能となります。

 このように世界を劇的に変える新しいテクノロジが、日進月歩で発表されており、あらゆるものの可能性を幾何級数的に広げてくれます。となるとあとは我々の想像力がついていけるか、それが勝負になります。

 ないものを想像し、新しいものを産み出す。この想像力が技術者の基本である以上、我々は新しい世界に向かって、より強く早く、夢を見る必要があるのです。

 

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・翼なき航空機 量産  日本車輌製造豊川工場
・アルツハイマー病 へその緒血液細胞で抑制
・節水トイレ、ポンプで強い圧力
・富士通、暗号化HDD参入 複合機でも対策進む
・サイト監視代行 人海戦術 トランスコスモス タイ関連会社も活用
・ソフトバンク 米中2社とソフト開発
・しょうゆの味、「世界標準」狙う キッコーマン、海外事業加速

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。