6月第1週目のWeekly reportです。
講師商売を初めてはや20年ほどたちますが、最近新人研修でワケのわからないアンケート結果が発生し始めています。数年前から様々な講師の講座アンケートからなんとなく予兆は見えていたのですが、最近私の講座にも出現しはじめました。それは、アンケートのすべての項目の評価が、オール「1」(最低)というものです。それなりの講師が準備した講座が、すべての項目で「1」をとるということは、常識的には考えられません。となると考えられるのは、単純に「気に入らない」という意思表示なのです。
正直面白くない講座は世の中にたくさんありますし、逆に万人に役立ち面白い講座も基本的にはあり得ないと思われます。したがって部分的には「1」という評価も考えられるのですが、だからといってすべての項目について「1」というのはやはり考えにくい事態です。それ以上に、すべての項目にためらいもなく「1」をつけてしまうことが、私には理解しにくいのです。
彼らの論理は、「面白くないんだし、気に入らないからこの評価!」ということなのでしょう。それをためらいなくつけるのが彼らの特徴です。つまり、こういった行為を、自己主張で正当と信じているのです。「アンケートは素直な結果を書くべき」という彼らにとっての正義が、企業からみた自分にとってどういう意味を持つかを彼らは想像できません。その新人だけがオール1をつけたということは、講座そのものに瑕疵があったとは企業は思いません。逆にその本人があらゆる意味で受講を拒否したということであり、業務命令を拒否したと判断します。つまり「1」をつける行為が、講座の良否を判断するものではなく、自分自身の未熟さや傲慢さを所属企業に主張していることに気づけないのです。「俺は、この講座から学ぶ気はない。そんなことは知っているぞ!」ということを主張しているとは想像もできないのです。彼らの考える自己主張は、単なる幼稚な我が儘である、ということすら気づけないほどの彼らの幼児性が、私には恐ろしいと思います。
自己主張と我が儘の区別がつかない。思考という行為ができず暗記だけを行うため、正義やルールの本質を理解出来ず、一方的にルール押しつける。それを正しいと信じて、疑うこともない。これが彼らの特徴です。「許さない社会」と私がよぶ社会現象は、ここから生まれているように思います。状況やそれぞれの立場や主張があることを考えず、自分の正義だけが唯一の正義である、という米国的価値観をもった人間が増えているのです。それらを我が儘と諫められずに育ち、逆に我が儘を自己主張と勘違いされ、褒められてきた彼らを哀れにすら感じます。
最近様々なシーンで、モンスター××という表現を見かけます。この状況が指し示すのが、まさに上記のような人間が生まれている証拠なのでしょう
。いよいよ、我々は真剣にこの状態を考えはじめなければならないのかもしれません。幼児性は成長の過程で自然となくなっていくものですが、彼らのように年齢がいってしまうと自然と直ることはありえないのでしょう。本来は学校教育や家庭において諫められることで大人になりますが、少子化の影響でそれを自己主張とおだてる大人が多いのかもしれません。いずれにせよ、憂慮すべき時代であることは間違いありません。
しかし私は、諦めてはいません。事実としてそういった若者は増えていますが、逆に昔以上に真剣かつ積極的な若者もちゃんといます。彼らは若い頃の私よりずっとしっかりしていますし、モチベーションも高いように感じます。KYなんて言葉に左右されず、きちんと自己主張をできる彼らが主導権を取ることで、このおかしな若者が社会から淘汰されることを私は願っています。
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今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。
・水性でエコ印刷 インキ感想に技 富士特殊紙業
・LG電子 プラダフォン 一体開発、機能もこだわる
・首都高「エディ」もOK 距離別料金制に対応
・「壁一面が照明」間近 GEロール式生産へ
・PHS100メガ通信で反攻 ウィルコム「次世代」サービス来年開始
・IT機器の省エネ目指す ルータ内部に光配線
・山田トビー 徒弟制度2人1組で
・有機EL時代 デジカメ搭載開戦前夜
・サンゴ礁再生を実験 与論島で 海底に構造物設置
・GPS活用運転ロボ 誤差2センチ、無人走行試験用 ダイナテック、英社製販売
・コピー白黒、色データは保存 モノクロ複合機「KM-3060」
・冷笑覚悟の奇手 ガリバー「息子2人社長」体制に
・デジタル印刷機 主戦場 複写機メーカーでそろう
・デニム風や木目調 独自色 大日本印刷非接触型ICカード
・店頭で買える禁煙パッチ 大衆薬で初、明日発売
・経産省、サイトにVB失敗例 「経営の教訓に」閲覧多く
・地デジ移行に冷や水 消費者なき対立 「ダビング10」開始混迷
さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。