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 August Second Week

 8月第2週目のWeekly reportです。

  世界的な原油高は市場の上では一息ついているはずなのに、経済的には相変わらず影響が大きいようです。日本の原油相場は毎月上昇しており、さまざまな産業に大きな影響を与えています。

 たとえば航空業界では、減便や廃線といった路線の見直しが積極的に行われております。採算のでない航路は、利用者の都合に関係なく廃止される傾向が続いております。現在特にやり玉に挙がっているのは関空であり、関空から日本の地方都市への便が、軒並み減便や廃線の憂き目にあっています。 伊丹空港廃止を主張する知事にとって、頭の痛い問題でしょう。また機体も小型化し、コストの安い関連航空会社に路線を譲渡するケースも出ているようです。
 また自動車に関しては、原材料高の影響で採算が悪化している中、燃料高騰で今後は大幅な売れ行きダウンが懸念されております。活況なのはハイブリッドカーと小型車のみという状況です が、原材料の高騰と希少金属の入手困難で予断は許せません。ガソリン高から町中の車は減っていますし、その反面タクシーの需要は上がっているようです。

 私の友人のいるサイパンも、燃料高騰のあおりで、停電が続いております。当初週に1日だった停電が、現在は日中の半分以上が停電の状況となっており、灼熱の中クーラーも冷蔵庫も使えない生活だそうです。ホテルや公共施設は自家発電がありますが、それ以外のエリアでは停電時間が日に日に長くなっており、生活そのものに大きな影響を与えています。

 北京オリンピックを中心とした後進国の発展に伴う需要増が、現在の原材料や燃料高騰の原因となっている、というのがどこかの国の見解でした。これが真実とすれば、あと数週間で原材料や燃料の高騰は一段落し、少しは落ち着いた世界になるはずです。しかしそんな戯言、今更誰も信じないでしょう。

 この高騰の原因は、行き場を失った投機マネーのせいであるというのが、多くの経済学者の考えです。アメリカのサブプライムローンの破綻をキッカケに、世界の投機マネーが行き場を失っています。これだけの景気減速感が続けば、株式投資市場での積極的な投資は考えにくいので、世界の生活の基本である原材料や原油に投機マネーが集中してしまったのでしょう。その結果世界中の食料が投機対象となり、生産高にかかわらず値段が乱高下します。さらに投機による原油高騰はますます代替エネルギー開発に拍車をかけ、皮肉なことに食料や飼料が 高騰しています。このためにただでさえ入手が難しい食料等がさらに高騰し、世界が飢えているのです。貧困地域では食料も燃料もないので生活に大きな影響が生じ、生きていくことすら困難な国さえ つぎつぎと出てきているのです。

 これらの構造は、世界の一部の富める国の人々が産み出したものです。 モノ作りなどの直接労働を伴わないお金儲けを見いだし、瞬間的に暴利を産み出しています。皮肉なことにこのメカニズムに燃料(お金)を供給している有力な国の一つが、何を隠そう日本なのです。 非常に残念で、悲しい現実です。

 「はてしない物語」「モモ」を書いたドイツの作家であるミヒャエル・エンデは、貨幣経済のもたらす功罪に、警鐘をならしました。働きを伴わないお金が世界をゆがませ、結局生活の豊かさや時間を奪ってしまうことに危機感をもたらしてくれました。現在の世界経済はエンデの警鐘通りの結果となっており、これをとめる手だては限られてしまっています。一部の人間の繁栄のために世界を犠牲にする 。こういったゆがんだ構造は、今まさに改められる必要があると私は考えます。

 あらゆる意味で、世界が協調しなければならない時代。あり得ないことと知りつつ、世界の人々の善意と友愛を信じて、地球温暖化や世界的な経済のひずみが少しでも軽減されることを、亜熱帯化しつつある極東のこの島で願っています。 私が出来ることは、辻説法のみ。しかしこの辻説法が、やがて多くの人々の意識を高め、望ましい社会への一歩に繋がることを私は信じています。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・NTTデータ BMW子会社を買収 欧州でシステム構築強化
・新幹線のケーブル、センサーに 駅間の局地豪雨も検知
・"ソニー発" トヨタで咲く 立ち乗りロボ、技術のネタは
・楽天ネット通販強化狙う イーバンクに出資 銀行業参入は否定
・視点ずらせば見え方が変化 立体映像さらにリアル エプソン、3Dパネル
・脳動脈流防ぐ治療具 ボストン 表面に生体吸収剤
・百度、人材からヤフー攻め 日中に開発拠点
・光の「公約」遠く 陰るNTT
・携帯音楽プレーヤー 外出先で気軽に動画
・「空気カー」仏社59万円で 伏兵出番うかがう
・携帯電話純増 ソフトバンク首位堅持 7月、iPhone効果
・高度上げ燃料節約 空気抵抗小さい空域飛行 スターフライヤー効果、最大2%

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。