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Weekly report
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 September Fourth Week

 9月第4週目のWeekly reportです。

 今週の初め、衝撃的なニュースが世界を飛び交いました。そうです、世界最大手の証券会社であるリーマブラザースが、経営破綻したのです。

その原因は、いわずとしれたサブ・プライムローンです。 リーマンブラザースはハイリスク・ハイリターンを主義とする証券会社であったため、サブプライムローンのようなハイリスク商品を積極的に取り扱うことで業績を上げてきましたが、それらの破綻とともにこの数ヶ月低迷が続き、結果として破綻してしまいました。

 私は経済の専門家ではないためリーマンブラザース自身の破綻についてコメントできる実力はありませんが、その破綻がいち早く世界経済に波及しようとする現状をみると、世界が本当に小さくなったことを実感せざるを得ません。
 当然冷戦が続く1980年代まで、東と西は原則として経済交流がないため、世界は二つに分かれていました。ところがソ連崩壊とともに世界は事実上一体化するだけでなく、情報化によってさまざまな情報がやりとりされることから、相対的に世界の大きさは小さくなってしまいました。
 今世紀初めまで、世界の情報は無線等のごく一部のメディアを利用する以外は、基本的に人間が物理的に運ぶしか方法がありませんでした。しかしその無線も音声という情報しか扱えませんし、大量の情報をリアルタイムで流すことは困難でした。しかしネットワーク化の進展とともに、リアルタイムで世界に情報は流れ、その影響を波及させるようになったのです。今ではチベットやアフリカで起きたことも、ほぼリアルタイムで世界は知ることが出来るようになりますし、国の検閲等も機能しないほど自由に情報は世界を駆けめぐります。

 リーマンブラザーズをはじめ、サブプライムローンに資金を注ぎ込んでいたのは、紛れもなく日本です。しかしその破綻によって回収が難しくなることは、日本経済に影響を与えます。同時にリーマンブラザーズ等の米国金融機関は米国経済と企業を支えていますから、米国の経済力が下がることになります。現在中国に多く出資しているのは米国企業であり、米国の経済力低下は中国に対する投資が冷えることを意味し、中国経済に影響を与えます。同時に世界は中国から製品を買っていますが、世界経済の縮小は中国の経済力もさらに低下させます。その反面中国経済の低迷は、原材料相場の高騰に歯止めをかけることになりますが、それは同時に原材料を持った資源国の経済力を低下させることになります。日本はその恩恵で安く原材料を仕入れることが可能になりますが、サブプライムによって日本経済そのものが低迷しているため、生産しても売れない、生産したくても原材料を調達する資金力がない、といった状況が生まれてしまいます。

 このようにあらゆる観点で世界は繋がっていることから、リーマンの影響が今後世界に短期間に波及することになります。となれば、私が想像する日本のIT産業の再編も、予想外に早く劇的な展開を見せる可能性が出てきているのです。

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・羽田空港ビル 空調省エネ 日本航空ビル
・三菱電機が洗濯機事業撤退 PR役「白物」見切る
・リーマン破綻ショック 実体経済に波及も
・リーマンショック アジア市場から資金流出 韓国株今年最大の下げ
・奥山氏デザインのスポーツカー 11月から限定で受注
・地デジ普及遅れる理由 費用・厳しい規格 足かせ
・ソフトバンク ブランド戦略転換へ グループ全体に波及狙う
・金融激震米製造業縮む GM会長「100時間で一変」 危機の連鎖「老舗」にも暗雲
・パッケージ利用 落とし穴 ソフトウェアの期限気づかず 全日空のシステム障害
・IT変える新トレンド クラウド ウィンドウズ代替 非パソコン 携帯さらに便利に
・米レイノルズ 無煙たばこに活路 アルトリアと激突 

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。