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 October Fifth week

 10月第5週目のWeekly reportです。

 急速な経済の変貌は、世界中を混乱に陥れています。昨日時点で株は7000円台となり、円は対ドルで90円台となっています。輸出国家である我々にとって、この状況は国内経済を大幅に減退させる原因となりますし、その状況がますます雇用情勢を悪くするでしょう。今年後半の景気は本当に不安ですし、来年以降も経済がどの程度持ち直すのか、予測のつかない状況です。景気浮揚の大きなインパクトが見えない中、世界の覇権争いが新たに始まるのかも知れません。

 このような状況がこんなに簡単に起きることは誰にも予想できませんでしたが、私はこの数年の好景気に対して非常な危機感を持っていました。今年の前半の講座でよくお話ししましたが(このコラムでも昨年述べています。)、日本はこの好景気の中でひたすら無駄取りをしてきました。これまでの好景気では企業は新しいビジネスや多角化、新規・中途の人材採用により、多くの余裕(ゆとり)を身につけてきました。逆に景気が悪くなったときはそれらをそぎ落とすことで、その時期を生長らえることをしてきたのです。
 しかし今回の好景気の裏で、企業は限りなく無駄取りを続け、その結果ものすごく筋肉質な企業ができあがりました。正規雇用を非正規雇用に推し進め、余剰人員をリストラし、集中と選択という名のもとの事業廃止や合併統合、場合によっては事業売却などを進め、本業に強く無駄のない企業体を作ってきたのです。しかしながらこれは、恐ろしいことに景気が悪化した場合の対処方法は、もはや何もなくなってしまったことを意味するのです。となると、今後の企業に訪れるのは、突然死(Sudden death)しかないのです。残念ながらこのところの建設業が、私の仮説を実証してしまいました。東証一部上場のアーバンコーポレイションは、もろくも破綻しましたし、それ以外にも大手・中堅の上場企業が破綻をはじめています。昨年まで十分黒字であった企業が、たった半年で破綻する。これが突然死です。

 同時に無駄取りの過程で、非常に過酷な労働環境が蔓延してしまったことも私は知っています。ITアシスト社で新しいスタッフを募集しているため、最近たくさんの方を面接しているのですが、その転職の本当の理由を聞いて、驚いてしまいます。終電までのサービス残業はほぼ全員から聞きましたし、無給の休日出勤も数多く行われています。ひどい方になると、この3年以上有給休暇を取得したことがなく、親族の不幸でさえ15時の早退しか認められなかったという方さえいます。それを行っているのが、いわゆる知名度の高い上場企業なのですからなお驚きです。文句を言えば、解雇される。昔の小作農以上の虐待と隷属が強いられている。これが無駄のない日本企業の実態です。

 心を壊す。私の大嫌いなことが、蔓延する。その原因を作り出した日本企業の経営者に深い怒りを感じますし、その無法を許しながらも、最大の努力している中小企業の主力製品を大臣自ら発売中止に追い込むような政治の姿に、失望と哀れみすら感じる毎日です。

 この状況を、私は、変えたい。 いや、変えなければ、ならない。 

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 今週面白かった日経産業新聞の記事は、以下の通りです。

・「ウェブ2.0」企業に暗雲 金融危機、広告に影響も
・NTTデータ 日本IBM 共同でシステム構築
・小型燃料電池 実用化目前に モバイル機器向け メタノールで長時間駆動
・米電気自動車のVB・テスラ 新型車の生産延期 デトロイト開発拠点閉鎖人員削減
・サントリーの缶入り「スタバ」 「少し贅沢」に照準
・東芝、半導体「忍の一字」 米サンディスクから設備買収 防衛効果は不透明
・電子ペーパー材料安く 大型画面の制作用意 綜研化学・東大
・複写機の故障予知し連絡 先手うち顧客つかむ リコーコールセンター
・カブドットコム証券の移動営業所 口座開設・株取引どこでも
・曲がり角、原則自動に 日立、ハンドルに連動 制御システムを開発
・地下鉄案内板に携帯かざすだけ 駅周辺情報キャッチ ぐるなびと東京メトロ
・ソフトバンクのメール障害 事前にバグ発見、なぜ放置? チェック働かず
・国際航空券の発券手数料 日光・全ニックも廃止へ 旅行会社、消費者から徴収
・「グーグル携帯」静かにデビュー アンドロイド普及へ一歩
・"食の防衛"ネット活用半数 「産地重視」女性の6割

 さて来週は、どんな一週間なのでしょうか。