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■いくつもの壁にぶつかりながら (9/13/2009) 村田早耶麻香 PHP研究所 \1,500
■裸でも生きる
(9/13/2009) 山口絵里子 講談社 \1,400
最近気になっている「ソーシャルビジネス(社会的企業)」に関する本でしたが、それぞれ面白かったのでご紹介です。
「いくつもの壁にぶつかりながら」は、M社のK氏にご紹介いただいた縁で読んでみたものです。これはカンボジアの児童売春を撲滅するためにソーシャルビジネスとして「NPOかものはしプロジェクト」を立ち上げられた村田氏の本であり、カンボジアの現状とその活動について述べられています。貧困が故に発生する児童売春という現状と、それを防ぐために募金という手段ではなく、貧困から抜け出す雇用と経済活動の創出が大切という考えを元に起業された村田氏の想いが強く述べられており、内容にも共感できましたし、微力ながら活動を援助しようという気持ちになりました。
もう一冊の「裸でも生きる」は、紆余曲折の末バングラデシュの貧困を目の当たりにした山口氏が、さまざまな困難を乗り越えて雇用創出を行うための経済活動の源泉たるブランド立ち上げにいたる話しが書かれており、これも感銘を受けました。
両者に共通するのは、豊かな国である日本を認識し、世界がよくなるために努力しようとする若い女性の姿であり、そのタフさや志のすばらしさ、行動力には感銘を覚えます。と同時にその危うさ故に、年寄りは何らかの協力しなければならない、ということを感じさせてくれました。私自身、某団体に一時募金をしていたのですが、その活動のあまりの杜撰さと押しつけ感の強さに辟易として、それ以降一切のボランティア活動にかかわらなかったのですが、その想いを少しだけ改めさせてくれる結果となりました。
ということで、社会的起業の現状と、我々の身の丈で出来る社会貢献のあり方を知りたい方に。
■職場のモンスター (9/1/2009)
金子雅臣 毎日コミュニケーションズ \819
最近研究しているデジタルネイティブについて、それを補強するつもりで読んだ本ですがよく書けていたのでご紹介です。
最近この手の本は比較的多く出版されていますが、いわゆる××モンスターという名称を振られた人間に関する解説です。しかしこの本が面白かったのは、それが単なる紹介ではなく、それらの人材が生まれてくる背景や、その対処法にまで言及している点です。
職場のモンスターとは、いわゆる職場で雰囲気や環境が読めず、自分勝手な行動を行ってしまう人材のことです。デジタルネイティブに代表されるように若い人材だけではなく、30代までに広がっているこのモンスターは、おそらく皆さんの身近にもいるタイプの人材です。それが生まれた背景には、「自分なり」という価値観があり、それらがいままでの青い鳥症候群などとの違いを生んでしまっている点は面白いと思いました。またこれらの人材は悪意がなく、「自分は自分」という独自の尺度で周囲1mの範囲で生きているという点も、鋭い指摘と思いました。さらに十分とはいえないまでも、それぞれの原因に基づいた対処法が記されている点も素晴らしいと思われます。
ということで、理解不能な社員を手なずけてみたい方に。