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■iPhoneの本質 Androidの真価 (3/1/2010)
日経コミュニケーション編 日経BP社 \1,900
今更の感のあるiPhoneとAndroidの本ですが、結構面白かったのでご紹介です。
iPadの出現のため、もう一度iPhoneとAndroidに関する勉強としてみようと手に取ったのですが、最先端の開発者の様々な視点から書かれているため、非常に参考になりますし面白い内容です。感性品質を教えてくれた中島聡氏が第1章を担当されていますが、さすがに視点が鋭くてその考察から学ぶことが本当に多いです。現在はiPhone用のアプリを開発されているようですが、開発者としての観点からiPhoneの本質をきちんと評価してくれていますし、その考えはまったく同意できます。その他の章も比較的面白く、クラウドの中でiPhoneやAndroidがどのような位置づけの機器になっていくかがわかりますし、今後のIT化ということの意味を考えるよいヒントが満載です。
ということで、これからのITの世界を利用の観点から考えてみたい方、必読!
■キンドルの衝撃 (2/21/2010)
石川幸憲 毎日新聞社 \1,500
次世代電子書籍であるキンドルに関する本ですが、メディアの進化論として面白かったのでご紹介です。
Amazonのキンドルが書籍や新聞・雑誌にもたらした衝撃について書かれた本なのですが、実はキンドル部分は全体の1/3であり、その他はメディアの進化論になっています。米国の新聞メディアがどのような歴史的推移を経て現在の姿になったのか、IT化の流れの中でどのような方向を模索しているのかをかなり詳細に論じており、非常に参考になる部分がありました。
私自身、キンドル等のいわゆる電子書籍は、書籍を中心とした発展よりも新聞や雑誌を中心に広がっていくように思っています。いわゆる文学書籍は紙媒体として残り、消費される情報となる新聞・雑誌、そして実用書が電子化されるように思うのです。同時にその進化が新聞という既存メディアの存続を危機に陥れますし、その生き残りのための新しい活動がまた始まると私は考えています。新聞の発行や配達を助けているのは広告収入ですが、ネット化によってそれらの方向性が変わると思っていましたが、米国では一部その動きが明確になっています。となれば、私の考える地元密着広告も、あながち見当違いではないということをこの本で確信できました。
ということで、電子書籍の発展とそれに伴うメディアの変遷について、米国の事例から学びたい方に、ぜひともお勧め!