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iPad VS. キンドル  (3/28/2010) 

 西田宗千佳  エンターブレイン  \1,500

 話題の電子書籍についての本ですが、真面目かつ詳細に書かれていたのでご紹介です。

 いろいろとメディアを騒がせているKindleとiPadですが、製品の企画からきちんと説明した本は現時点では珍しいと思います。両者の根本的な違いがディスプレイと通信課金方法にあることは知っていましたが、その戦略の違いもきちんと論じられていますし、その他のデバイスの可能性をきちんと論じている点は参考になりました。なにより面白かったのは、Kindleがiインクディスプレイを安価に利用できたのが、SONYのおかげという点でした。(ご興味がある方は、ぜひご一読ください。)
 後半のeブックを中心としたメディア論と各種eブックデバイスの紹介も本当に興味深いと思いましたし、法律やビジネスモデルの問題など、今後のこの世界を予測するために必要となる情報が満載です。

 私自身考えるのは、iPadの弱点を補う周辺機器の開発です。電池消耗の激しいiPadでKindleの利便性を実現するとすれば、省電力ディスプレイとブルートゥースを搭載したブックカバー型のケースになるのではないかと考えます。手帳のように左右に開くデバイスで、右のフォルダーにiPadを入れ、左の扉に省電力ディスプレイを搭載した機器を作れば、iPadで入手した電子書籍情報を左のページに飛ばして表示することが可能になるはずです。両者のいいとこ取りだけでなく、情報を二面に表示できるメリットももったデバイスとなるため、劇的な販売量が望めるように思いますし、PCとの連携も考えられるので面白いと思うのですが...お好きな方(特に中国の方)、本気で検討してみません??

 二つの製品のみならず、電子メディアの将来に興味のある方、ご一読を。

 

カップヌードルをぶっつぶせ!  (3/7/2010) 

 安藤基宏  中央公論新聞社  \1,500

 タイトルに引きつけられて読んでみましたが、結構面白かったのでご紹介です。

  この本はかの有名な安藤百福日清食品創始者の息子さんから見た、百福翁と日清食品についての本です。カップラーメンの誕生秘話から安藤百福という人物について興味深く紹介してくれますし、その内容も本当に面白いです。日本が今考えなければならない世界進出についても、その経験としてきちんと説明されていますしその苦労を含め本当に参考になります。またこの本は、創業者と二代目という企業の継承のあり方についても触れてくれますし、後継者にその座を譲ることの難しさ、後継者となる人物の苦労や苦悩を非常にわかりやすく説明してくれます。まさにカップラーメンではありませんが、さまざまな要素を上手にまとめ、一つ一つの満足度の高い本といえます。

 ということで、残業食としてカップラーメンのお世話になったことのある方、ぜひともご一読を。