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■「カタリバ」という授業 (10/17/2010)
上阪 徹 英治出版 \1,575
最近時たま出版されている、ソーシャルビジネスに関する書籍です。「カタリバ」という名前に惹かれて読んでみましたが、「自らを語る場所」という意味の言葉です。
現代の若者が目的意識がないのは、それを与える場がないから、目立とうとする方法が見つからなければ、若者は茶髪やわるさという方向に向かってしまう、という考え方には、ちょっと納得しました。こういった目的を見つけられない若者に対し、自らを気づかせ正しくモチベーションを持たせようとするソーシャルビジネスが、この「カタリバ」のようです。ライターさんが書いた本なので読みやすいのですが、今ひとつこのNPOを行っているお二人の女性の気持ちが伝わってこず、やや熱にかける本になっているのは残念でした。
とはいえ現在の若者が抱える問題、それを解決するための方向性は確かに納得できましたし、若者に経験の価値を洗い直させて、より高い目標を持たせることが大切というのは同意できました。私にとっては、暗記中心の学校で本気で勉強しようとすると授業について行けなくなる、授業について行くためには暗記が必要になるという、日本独特の学習環境について気づいたのは発見でした。
ということで、人を作るソーシャルビジネスを知ってみたい方に。
■ハイタッチ (10/17/2010)
山元賢治 日本経済新聞社 \1,460
どこかの書評で面白そうだと思って読んでみましたが、比較的中身のある本だったのでご紹介です。
この著者は、日本オラクルやアップルジャパンの元役員の方のようであり、外資系らしいいろいろな経験をされているようです。ただしこの本の中身とはあまり関係なく、どちらかというと若者向けの人生訓が並べてある本と思って間違いありません。とはいってもいわゆる精神論の世界ではなく、日々取り組むべきことが並べてあり、比較的役に立ちます。前半の採用のあたりは正直あまり面白くありませんでしたが、後半の知識習得は比較的納得のいく内容でした。国際化と高度情報化の波の中でどのような学習をすべきか、学習のためには子供の頃から親が投資すべきだといった考え方は当たり前ですが説得力のある内容になっています。
最後の体力が必要という点は、これまでのこういった本にはあまり書かれなかったことでしょう。私自身体力の重要性は感じますし、それでも他人から「元気ですね」といわれるぐらい体力には注意していますので、本当にこれは大切なことと思います。
ちなみに「ハイタッチ」というのはスポーツで行われるそれではなく、ハイテクの中でより高いレベルでの
感性を意味するようで、私の主張する感性品質に近いようです。
ということで、これから世で活躍を望んでいる若者にお勧め!