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■起業革命 (9/12/2011) 
エムアウト事業開発部ループ 東洋経済新報社 \1,575
最近訳あって起業系の書籍を読むことが多いのですが、比較的よくまとまっていたのでご紹介です。
この本はビジネスインキュベータであるエムアウトという会社が書いていますが、この会社の社長の田口氏は、上場企業ミスミの創業者で社長であった方のようです。ミスミそのもの成功モデルがこの方のいう「マーケットアウト」という考え方であり、それをベースに現代における起業のあり方を提言しているのがこの本です。
経験と年齢の高い方が書かれた本だとは知らずに読みましたが、現在の日本のベンチャー環境とその問題点を的確に指摘していますし、そのポイントも非常にわかりやすく示されているように思いました。私自身米国のエンジェルと日本のベンチャーキャピタルの違いをよく知っていますし、日本の企業ビジネスがうまくいかない理由もわかっているつもりですが、それを再度整理させてくれるよい内容だったように思います。ただし後半はエムアウトという会社の企業哲学がやや強く、事例もやや説得力に欠けているように思われますので、ご自分の読みたいところをセレクションする必要はあると思われますが。
ということで、今後何らかの形で起業を考えてらっしゃる方のご参考に。
■エンジニアとしての生き方 (8/8/2011) 


中島聡 インプレス \1,680
「おもてなしの経営学」という本で感性品質(おもてなし)という考えを提唱している日本のギークの中島氏の本ですが、この本も本当に素晴らしい内容なのでご紹介です。
基本的にはこの方のブログをベースに加筆されたもののようですが、それでも若者に対するメッセージがあふれた本当によい内容です。元気のなくなった日本の若者が活躍するために、どのような心構えでどのような活動をしていけばいいのか、明確に指針を示しています。中島氏は早稲田大学大学院→NTT研究所というエリートコースを歩みながらも、自分のやりたいことを行うために転職を行い、結果としてアメリカに渡ってマイクロソフトで活躍された実績の持ち主です。やりたいことを明確にしてチャレンジを続けた結果をきちんと出している方だからこそ、そのメッセージが信じられると私には思えます。
とはいえメッセージの内容は、私が新人研修などで申し上げていることをほとんど同じです。そう聞くと非常に価値が落ちるように感じるかもしれませんが、大切なことは変化に気づき、なりたい自分をイメージし、世界を意識した学習をする、というこ
とです。それなりに今後の日本を気にしているおじさんは、みんな一緒の結論になるのですね。
ということで、この閉塞的な日本の現状を変えたい若者、必読!